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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科67巻6号

2013年05月発行

文献概要

症例報告

丹毒様の皮疹から進展し,急激な転帰をとったanaplastic large cell lymphomaの1例

著者: 梁川志保1 森志朋1 高橋和宏1 赤坂俊英1

所属機関: 1岩手医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.436 - P.440

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要約 66歳,男性.2010年7月初旬より左こめかみ部の発赤,腫脹が出現した.丹毒の診断で抗生剤投与を開始したが皮疹の改善なく,夜間の発熱に加えて結節性病変が出現した.当科初診時,左こめかみ部にドーム状に隆起し潰瘍を伴う胡桃大の紅色腫瘤を認め,周囲には小結節が散在していた.病理組織検査では真皮浅層から深層にかけて明瞭な核小体を有する大型異型細胞が増殖し,CD30陽性,ALK陰性であった.造影CTで膵臓の腫瘍性病変が指摘されたがリンパ節病変はなく,ALK陰性systemic anaplastic large cell lymphoma,stageIVBと診断した.THP-COP療法開始後,腫瘤は若干縮小したが,DICを併発し第18病日に永眠された.約1か月半の経過であった.本症例のように腫脹や発赤が初発症状であった症例は探しえた限り本邦で1例であり,きわめて稀な皮膚症状であると考えた.

参考文献

1) Stein H, et al:Blood 66:848, 1985
2) Gascoyne RD, et al:Blood 93:3913, 1999
3) Suzuki R, et al:Blood 96:2993, 2000
4) ten Berge RL, et al:Blood 99:4540, 2002
5) Asano N, et al:Int J Hematol 91:426, 2010
6) 佐藤英里,他:皮膚臨床 49:977, 2007
7) 笠井麻希,他:臨皮 64:609, 2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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