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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科67巻6号

2013年05月発行

文献概要

症例報告

G群溶連菌感染による壊死性筋膜炎の1例

著者: 野中優江1 吉田健一1 辻英輝1 網代直子2 上霜剛2 吉永孝之1

所属機関: 1兵庫県立尼崎病院ER総合診療科 2兵庫県立尼崎病院微生物検査室

ページ範囲:P.446 - P.450

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要約 85歳,女性.糖尿病や肝疾患はない.30年前の子宮癌術後より両下肢のリンパ浮腫があった.今回,前日からの突然の発熱と左下肢痛で救急搬送される.来院時,左下肢に著明な浮腫と疼痛を認め,左足背・足底に紫斑,足背部には水疱形成を認めた.画像検査でガス像はなかった.水疱穿刺液の検鏡で連鎖球菌を検出し壊死性筋膜炎の診断で緊急入院し,広域抗菌薬の投与を開始,外科的デブリードマンを行い,皮下組織~筋膜に炎症の波及を確認した.その後,水疱穿刺液と血液培養から連鎖球菌が同定され抗菌薬をメロペネムからアンピシリン+クリンダマイシンにde-escalationした.以後,待機的に植皮術を施行し退院.起因菌は16SrRNA遺伝子解析に基づきG群溶連菌(Streptococcus dysgalactiae subsp. equisimilis)と同定した.G群溶連菌感染症は近年増加傾向にあり,危険因子として糖尿病,悪性腫瘍,高齢,リンパ浮腫などが指摘されている.溶連菌感染症は重症化しやすく重症皮膚軟部組織感染をみた場合には鑑別に挙げ早急に対応することが望まれる.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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