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症例報告
骨髄異形成症候群の進行に伴って,壊疽性膿皮症からSweet病へ移行した1例
著者: 橋本倫子1 濱田利久1 岩月啓氏1 新谷大悟2 池田和真2
所属機関: 1岡山大学大学院医歯学総合研究科皮膚・粘膜・結合織学分野 2岡山大学病院血液・腫瘍・呼吸器・アレルギー内科
ページ範囲:P.479 - P.484
文献購入ページに移動32歳,女性.1993年に骨髄異形成症候群を発症した.2001年に顔面に結節や紅斑性の局面が出現し,壊疽性膿皮症として加療していた.2011年2月に頭部,顔面,背部,上腕に有痛性結節が多発し,倦怠感と発熱が出現した.末梢血中に芽球が2.5%出現し骨髄検査の結果RAEB(refractory anemia with excess blasts)に進展していた.皮膚生検病理組織像では真皮内に好中球の密な浸潤を認めSweet病と診断した.咳嗽があり胸部CTで多発結節影を認めたが感染症は否定的でありステロイド増量と化学療法により軽快したことからSweet病に伴う肺病変である可能性が高いと考えた.自験例のように,基礎疾患がある壊疽性膿皮症の患者に皮疹の増悪と全身状態の悪化を認めた際には,原疾患が進行している可能性があることに注意する必要がある.
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