文献詳細
症例報告
Pemphigus Disease Area Indexによる治療効果の評価が有用であった若年発症落葉状天疱瘡の1例
著者: 中山香織1 藤尾由美1 舩越建1 山上淳1 海老原全1 天谷雅行1
所属機関: 1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室
ページ範囲:P.491 - P.496
文献概要
17歳,女性.2か月前より前胸部に弛緩性水疱,びらんを認め全身に拡大した.抗Dsg 1抗体価が高値であり,落葉状天疱瘡の疑いにて当科を受診した.皮膚病理組織所見,蛍光抗体法,ELISA法より落葉状天疱瘡と診断した.顔面や胸背部の広範囲にびらんを認め,Pemphigus Disease Area Index(PDAI)45点と重症であった.プレドニゾロン1mg/kg/日の内服を開始したが治療抵抗性であった.計2回のステロイドパルス療法,その後連続して血漿交換療法2回,大量IVIG療法を行い寛解が得られた.経過中,一見同程度に見える皮疹を定期的にPDAIで定量的に評価することが正確な治療効果判定に有用であった.若年発症例においても成人同様に必要十分な治療により寛解導入し,少量のステロイドでの寛解維持を目標とすべきであり,初期治療の選択が重要であると考えた.
参考文献
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