文献詳細
症例報告
線状強皮症を伴った全身性強皮症の1例
著者: 新井美帆1 茂木精一郎1 永井弥生1 石川治1
所属機関: 1群馬大学大学院医学系研究科皮膚科学
ページ範囲:P.497 - P.500
文献概要
39歳,女性.2006年からRaynaud症状が出現,2009年当院腎臓リウマチ内科を受診した.肘関節を越える近位皮膚硬化があり全身性強皮症と診断,プレドニゾロンおよびベラプロストナトリウム内服を開始した.抗核抗体2,560倍,抗Scl-70抗体266.8 Index値と高値であった.2009年より右側胸腹部,2010年より左側胸腹部に線状の皮膚硬化が出現したため当科を紹介受診した.初診時,両側腋窩から側腹部にかけて,境界明瞭な淡紅褐色から紫紅色調を呈する線状の皮膚硬化がそれぞれ2か所ずつ,ほぼ平行に走るようにみられた.同部の病理組織像では,真皮中層から下層にかけて膠原線維の膨化,均質化がみられ,線状強皮症と診断した.副腎皮質ステロイド外用にて経過観察中である.全身性強皮症と線状強皮症の合併は稀であり,文献的考察を加え報告する.
参考文献
掲載誌情報