文献詳細
症例報告
文献概要
要約
26歳,男性.初診の10日前から臍周囲に疼痛が出現した.近医で抗生剤内服治療にて加療したが改善なく,患部より排膿があり,受診した.初診時,臍部に著明な自発痛があり,軽度の発赤と淡黄色滲出液の排出を認めた.臍炎ないし尿膜管遺残膿瘍を疑い腹部造影CTを施行したところ臍と連続し腹腔内に被包化された液体貯留および膀胱頂部へと連続する索状物を認めた.尿膜管遺残症に起因した尿膜管膿瘍と診断し,洗浄ドレナージおよびセファゾリン4g/日で炎症を沈静化した後,尿膜管摘出術を施行した.尿膜管遺残症では再発性の膿瘍や尿膜管癌の発生の可能性もあり,外科的切除が望ましい.
26歳,男性.初診の10日前から臍周囲に疼痛が出現した.近医で抗生剤内服治療にて加療したが改善なく,患部より排膿があり,受診した.初診時,臍部に著明な自発痛があり,軽度の発赤と淡黄色滲出液の排出を認めた.臍炎ないし尿膜管遺残膿瘍を疑い腹部造影CTを施行したところ臍と連続し腹腔内に被包化された液体貯留および膀胱頂部へと連続する索状物を認めた.尿膜管遺残症に起因した尿膜管膿瘍と診断し,洗浄ドレナージおよびセファゾリン4g/日で炎症を沈静化した後,尿膜管摘出術を施行した.尿膜管遺残症では再発性の膿瘍や尿膜管癌の発生の可能性もあり,外科的切除が望ましい.
参考文献
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