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症例報告
サブイレウスにて保存的加療されていた旋尾線虫による皮膚幼虫移行症の1例
著者: 水野麻衣1 清水裕希1 坂井浩志1 調裕次1 杉山広2 山崎浩2
所属機関: 1NTT西日本大阪病院皮膚科 2国立感染症研究所寄生動物部
ページ範囲:P.539 - P.542
文献購入ページに移動59歳,男性.飲食店でホタルイカを摂取した2日後から嘔気,腹痛の症状が出現した.4日後,近医を受診しサブイレウスの診断で入院し,保存的治療で改善した.腹部症状は虫垂炎術後の癒着との関連が疑われていた.摂食後12日目,右側腹部に約10cmの移動性の帯状皮疹に気づいた.皮膚幼虫移行症を疑い一塊に切除摘出した.組織内に虫体を認め,旋尾線虫虫体切片を用いた酵素抗体法にて患者血清は陽性反応を示し,旋尾線虫幼虫移行症と診断した.自験例では症状は幸い徐々に改善したものの,一般飲食店にて凍結処理されていない生のホタルイカが提供されており,行政による指導と一般消費者への注意喚起も必要であると考えた.
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