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文献概要
症例報告
多発脳神経麻痺を合併した帯状疱疹の1例
著者: 加藤円香1 田子修1 土岐清香1 永井弥生1 石川治1
所属機関: 1群馬大学大学院医学系研究科皮膚科学
ページ範囲:P.543 - P.546
文献購入ページに移動77歳,男性.近医にて右三叉神経の帯状疱疹を加療されていた.発症12日目に当科を紹介され受診した.初診時,眼瞼下垂,眼球運動障害,口角下垂がみられ,精査により動眼,滑車,外転神経麻痺による眼球運動障害,顔面神経麻痺の併発と診断した.アシクロビル点滴,プレドニゾロン40mg/日を内服し改善した.眼筋麻痺を伴う帯状疱疹では動眼神経が高率に侵されるが,これらの障害にさらに顔面神経麻痺を併発する例は稀である.顔面三叉神経第1枝領域の帯状疱疹の場合,眼筋麻痺や骨髄炎の可能性を念頭に置く必要がある.
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