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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科67巻8号

2013年07月発行

文献概要

症例報告

プレガバリンによる薬疹が疑われた1例

著者: 吉岡学1 大倉理沙1 日野亮介1 中村元信1

所属機関: 1産業医科大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.569 - P.572

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要約 44歳,男性.交通事故後右半身の神経障害があり,随伴する右半身の疼痛に対してプレガバリン75mg/日を内服していた.投与1か月後より顔面に紅斑および眼瞼の浮腫が出現してきたため,当科を紹介され受診した.受診時,両眼瞼に浮腫,紅斑があり,右眉上方,右眼瞼,両頰部に浸潤の強い紅色局面を認めた.また,血液検査にてALT 44IU/lと軽度の肝機能異常を認めていた.経過から薬疹および薬剤性の肝機能異常を疑いプレガバリン内服を中止したところ,中止10日後には皮疹は軽快し,肝機能異常も基準値内となった.皮膚生検では軽度の液状変性,血管周囲を中心としたリンパ球,好酸球の浸潤を認め,薬疹に矛盾しない所見であった.パッチテストは陰性であったが,DLST(drug-induced lymphocyte stimulation test)において陽性(p=0.0360,S.I.=3.71)であったことと,経過からプレガバリンによる薬疹が疑われた.本剤による薬疹はこれまで報告がなく稀な例であるが,今後使用頻度の増加とともに薬疹の出現にも注意する必要がある.

参考文献

1) 安野伸浩:薬事 52:1849, 2010
2) Attal N, et al:Eur J Neurol 13:1153, 2006
3) 越智靖夫,他:日薬理誌 136:165, 2010
4) 小川節郎,他:麻酔 59:961, 2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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