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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科67巻8号

2013年07月発行

文献概要

症例報告

クロラムフェニコール腟錠によるsystemic contact dermatitisの1例

著者: 志貴美麗1 土井裕美子1 佐藤有紀1 熊谷綾子1 石井泰江1 加藤潤史1 肥田時征1 山下利春1 三浦俊祐2

所属機関: 1札幌医科大学医学部皮膚科学教室 2札幌市

ページ範囲:P.579 - P.582

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要約 26歳,女性.初診の前日に近医産婦人科にてクロラムフェニコール腟錠を挿入された.同日夜間より手背に掻痒を伴う紅斑が出現し,四肢,軀幹に拡大.翌日近医皮膚科を受診し精査のため当科を紹介され受診した.血液,生化学的検査では白血球とCRPの軽度上昇を認めた.また病理組織学的に表皮の肥厚と,真皮浅層の血管周囲性の炎症細胞浸潤を認めた.パッチテストにてクロラムフェニコール腟錠が陽性であったため,クロラムフェニコール腟錠によるsystemic contact dermatitisと診断した.クロラムフェニコール腟錠は汎用されているものの,患者自身が使用されたと認識していない場合が多く,十分な問診が必要である.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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