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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科67巻8号

2013年07月発行

文献概要

症例報告

骨低形成,脂肪萎縮を伴った顔面に生じたBecker母斑症候群の1例

著者: 栗原佑一1 橋本玲奈1 大内健嗣1 大山学1 海老原全1 天谷雅行1 石河晃12

所属機関: 1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室 2東邦大学医学部皮膚科学講座

ページ範囲:P.607 - P.610

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要約 27歳,男性.左側上顎歯欠損の既往あり.13歳頃より,左頰部の陥凹と色素沈着を自覚し,徐々に多毛を生じた.近医を受診したが,明らかな原因はわからず,精査加療目的で当院を初診した.皮膚生検組織像ではbasal melanosisと立毛筋の増生,脂肪織の萎縮・変性を認めた.CTでは左上顎骨の骨低形成を認め,Becker母斑症候群と診断した.本症はBecker母斑と同部位ならびに周辺の皮膚・骨・筋の欠損や形成異常を合併する症候群で,体幹に好発する.顔面に生じたBecker母斑症候群の報告は海外で3例報告があるのみで,本邦での報告は初めてである.小児期に大きなBecker母斑を診た際には本症を考慮した経過観察が必要であると考えた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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