icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科67巻8号

2013年07月発行

文献概要

症例報告

免疫グロブリン大量療法を施行し視力障害の改善を認めたChurg-Strauss症候群の1例

著者: 高田紗奈美1 外川八英1 田島綾子1 鎌田憲明1 神戸直智1 松江弘之1 牧田荘平2 細川淳一2 池田啓2

所属機関: 1千葉大学大学院医学研究院皮膚科学 2千葉大学医学部附属病院アレルギー・膠原病内科

ページ範囲:P.611 - P.616

文献購入ページに移動
要約 46歳,女性.半年前に気管支喘息を発症した.2週間前より視力障害が出現し,虚血性視神経症と診断された.四肢のしびれと下肢に浸潤を触れる紫斑を認め,生検病理組織像で真皮小血管の血管壁破壊像と周囲の好酸球浸潤,赤血球の血管外漏出を認めた.蛍光抗体直接法で真皮内の血管壁にIgMとC3の沈着を認めた.血液検査で好酸球の増加とMPO-ANCA陽性を認め,胸部CTで両側肺野に斑状影の散在を認めた.Churg-Strauss症候群と診断し,プレドニゾロン内服とシクロホスファミドパルス療法を施行したが,神経障害は進行し,免疫グロブリン大量療法,ステロイドパルス療法を行い,改善した.Churg-Strauss症候群に合併する虚血性視神経症は,ステロイドや免疫抑制剤による治療に抵抗することが多いが,自験例では従来の治療に加えて早期に免疫グロブリン大量療法(IVIG)を併用し,視力障害は改善した.今後同様の症例に対しても早期IVIG投与を考慮するべきであると考えられる.

参考文献

1) Hamilos DL, et al:J Allergy Clin Immunol 88:823, 1991
2) 谷口正実:アレルギー 59:923, 2010
3) 野村恭一:神経内科 74:372, 2011
4) 松井久未子,他:臨床と研究 85:1037, 2010
5) Takanashi T, et al:Ophthalmology 108:1129, 2001
6) Sablé-Fourtassou R, et al:Ann Intern Med 143:632, 2005
7) Sinico RA, et al:Arthritis Rheum 52:2926, 2005
8) Kallenberg CG:Curr Opin Rheumatol 19:17, 2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?