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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科67巻8号

2013年07月発行

文献概要

症例報告

腋窩,体幹,四肢に生じたHPV6型による小児の尖圭コンジローマ

著者: 野田和代1 眞部恵子1 浅越健治1 白藤宜紀2

所属機関: 1独立行政法人国立病院機構岡山医療センター皮膚科 2岡山大学病院皮膚科

ページ範囲:P.638 - P.641

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要約 4歳,男児.1歳検診で,右腋窩の丘疹を指摘され経過観察していた.次第に増加し,陰部・肛門周囲にも同様の丘疹を生じてきたため,当科を紹介受診した.右腋窩,会陰部に表面平滑な褐色丘疹が散在していた.腋窩からの生検病理組織像は尖圭コンジローマに合致し,polymerase chain reaction(PCR)ではヒト乳頭腫ウイルス(human papillomavirus:HPV)6型が検出された.5%イミキモドクリームおよび液体窒素凍結療法で加療し大部分は脱落したが,肩,胸部,膝窩などに小丘疹の再発を認めた.難治性であったが,初診より1年余りでほぼ略治の状態となった.近年,小児に生じた尖圭コンジローマの報告が増えているが,外陰部以外に皮疹を生じる症例は稀である.小児例では,背景因子,感染経路,治療方法などを考慮する必要がある.

参考文献

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11) 古田淳一,他:皮膚病診療 33:39, 2011

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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