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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科67巻9号

2013年08月発行

文献概要

今月の症例

ドセタキセルが奏効した進行期乳房外Paget病の3例

著者: 舩越建1 福田桂太郎1 大内健嗣1 横山知明1 高江雄二郎1 天谷雅行1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部皮膚科

ページ範囲:P.657 - P.662

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要約 81歳,70歳,63歳の男性3例のⅣ期乳房外Paget病患者に対し,ドセタキセル療法を行った.1例目は原発巣の手術不能例で,鼠径,骨盤内,傍大動脈リンパ節に転移があり,放射線療法後にドセタキセル療法を6クール施行し奏効した.その6か月後,腋窩に転移がみられたが,ドセタキセル療法を7クール追加し,転移巣は消失した.2例目は局所の残存病変のほかに鼠径,骨盤内,傍大動脈リンパ節に転移があり,放射線化学療法を行ったが改善せず,ドセタキセル療法に変更し,9クール施行した.完全奏効と判定し,以後再発なく2年経過している.3例目は原発巣切除から5年後に肝,脳,骨,皮膚に転移を生じた症例で,全脳照射と併用し,3クールを行い部分奏効が得られた.3例とも骨髄抑制は軽度であったが,1例目は肺炎を発症し入院加療を要した.他のレジメンと薬剤が重複せず,かつ一定の効果が得られることから,進行期乳房外Paget病に有用な薬剤であると考えた.

参考文献

1) 吉野公二:Skin Cancer 25:317, 2010
2) Frasci G, et al:Br J Cancer 95:1005, 2006
3) 山崎直也:Skin Cancer 23:341, 2008
4) Kariya K, et al:Dermatol Surg 30:341, 2004
5) 君島伊造,他:癌と化療 26:995, 1999

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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