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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科67巻9号

2013年08月発行

文献概要

症例報告

後天性全身性無汗症を契機に診断された中枢性尿崩症の1例

著者: 内山明彦1 田子修1 茂木精一郎1 服部友保1 永井弥生1 高橋舞2 荒川浩一2 石川治1

所属機関: 1群馬大学大学院医学系研究科皮膚科学 2群馬大学大学院医学系研究科小児科学

ページ範囲:P.681 - P.684

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要約 14歳,男児.2011年1月頃より口渇,多飲,多尿を自覚,次第に運動時のうつ熱感,発汗低下も伴うようになった.無汗症が疑われ同年5月に当科を紹介された.初診時,全身の皮膚は乾燥していた.温熱試験では全身に発汗がなく,塩酸ピロカルピン試験でも発汗は誘発されなかった.皮膚生検で汗腺の形態異常や汗腺周囲の炎症細胞浸潤はなかった.1日3~4Lの多尿があり,血漿浸透圧の上昇,高Na血症がみられ,バゾプレシン負荷試験陽性で尿浸透圧の上昇があり中枢性尿崩症と診断された.デスモプレシン点鼻治療開始後より尿崩症症状は徐々に改善,1か月後の温熱負荷試験では全身に発汗がみられた.後天性無汗症の原因検索において,まれではあるが尿崩症も念頭に置くべきであると考えられた.

参考文献

1) 玉置邦彦,他(編):最新皮膚科学大系,中山書店,p172, 2002
2) 中里良彦,他:臨神経 34:12, 1994
3) 岩間信太郎,他:ホと臨床 58:65, 2010
4) Shimizu H, et al:Neurology 49:1708, 1997
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7) 朝比奈正人,他:発汗 11:12, 2004
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9) 梅原康次,他:臨皮 64:303, 2010
10) 五十嵐直弥,他:臨皮 60:907, 2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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