icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科67巻9号

2013年08月発行

文献概要

症例報告

巨大な有茎性腫瘤を呈した隆起性皮膚線維肉腫の1例

著者: 大橋苑子1 爲政大幾1 大澤学1 太田馨1 岡本祐之1

所属機関: 1関西医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.713 - P.718

文献購入ページに移動
要約 53歳,男性.半年前に右大腿を打撲し,血豆様の腫瘤が出現し徐々に増大してきた.約1か月前から急激に増大し出血するようになった.右腸骨部に下床との可動性が良好な12×10×6cmの巨大な有茎性腫瘤を認め,表面は潰瘍化し出血と膿を伴っていた.生検病理組織像では,クロマチンに富んだ長円形の核を有する紡錘形腫瘍細胞がstoriform patternを呈しながら密に増生していた.これらの細胞は免疫組織染色ではCD34陽性であった.未治療の2型糖尿病があったため,術前に血糖コントロールを行いながら,Mohs’ pasteにより腫瘤の感染と出血のコントロールを図った.初診から2か月後,全身麻酔下に腫瘍切除術と分層植皮術を行った.腫瘍の筋膜,筋層への浸潤はみられなかった.隆起性皮膚線維肉腫は半球状の腫瘤を呈することが多く,有茎性となることは稀である.

参考文献

1) 小林聡子,他:Skin Cancer 19:340, 2004
2) 石井昌子,斎田俊明:皮膚臨床 27:1291, 1985
3) 花桐武志,他:Arch Jpn Chir 59:173, 1990
4) 簗波広一,他:臨皮 56:880, 2002
5) 関山光弘,他:西日皮膚 64:578, 2002
6) 濱 直人,他:Skin Cancer 17:57, 2002
7) 河田守弘,他:Skin Cancer 20:268, 2005
8) 高橋依子,他:Skin Cancer 17:136, 2008
9) Resnik KS, et al:J Am Acad Dermatol 49:1139, 2003
10) Mentzel T, et al:Am J Dermatopathol 29:443, 2007
11) Gu W, et al:J Clin Pathol 58:984, 2005
12) Reimann JD, Fletcher CD:Am J Surg Pathol 31:1371, 2007
13) Sato N, et al:J Dermatol 22:665, 1995

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?