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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科68巻1号

2014年01月発行

文献概要

症例報告

Desmoplastic trichoepitheliomaの1例

著者: 小原芙美子1 吉田憲司1 鷲崎久美子1 関東裕美1 石河晃1

所属機関: 1東邦大学医学部皮膚科学講座(大森)

ページ範囲:P.29 - P.32

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要約 41歳,男性.15年程前に右こめかみに皮疹が出現したが,自覚症状なく放置していた.7年程前から疣状に隆起しはじめ,徐々に拡大傾向を認めたため,当院を受診した.右こめかみに13×10mm大の,辺緑が軽度隆起し中央がやや陥凹している局面を認めた.辺緑の隆起部には環状に配列する正常皮膚色からやや黄白色調の丘疹を伴っていた.ダーモスコピーでは色素性構造は認めず,コンマ状・樹枝状の血管とmillia-like cyst様の白色顆粒状構造物が散見された.病理組織像から,desmoplastic trichoepitheliomaと診断した.ダーモスコピーで樹枝状血管が認められた場合,基底細胞癌など悪性疾患が鑑別に挙がるが,多数のmillia-like cyst様の白色顆粒状構造物は,病理組織像の角質囊腫を反映しており,本疾患の病理組織像から本症の特徴の1つといえる.本症を疑った際は,ダーモスコピーでの観察が有用と考えられた.

参考文献

1) Brownstein MH, Shapiro L:Cancer 40:2979, 1977
2) 松坂俊英:最新皮膚科学大系,12巻,中山書店,p122, 2002
3) Ardigo M, et al:Dermatology 215:354, 2007
4) López-Navarro N, et al:Clin Exp Dermatol 34:e395, 2009
5) 岸 晶子:J Visual Dermatol 7:100, 2008
6) 岸 晶子:J Visual Dermatol 7:102, 2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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