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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科68巻1号

2014年01月発行

症例報告

外陰部侵襲性血管粘液腫(aggressive angiomyxoma)の1例

著者: 奥平尚子1 中村靖司2 古川福実1 山本有紀13

所属機関: 1和歌山県立医科大学皮膚科学講座 2和歌山県立医科大学附属病院中央検査部病理 3和歌山県立医科大学光学的美容皮膚科講座

ページ範囲:P.43 - P.46

文献概要

要約 46歳,女性.2011年10月頃から左外陰部に腫瘤を自覚した.増大傾向のため,近医産婦人科受診したが,針生検で良性との診断で放置していた.2012年4月,他医産婦人科受診し,切除目的に当院産婦人科を受診し,皮膚科に紹介された.初診時,大陰唇に25×20mm大の有茎性で,弾性軟の腫瘤を認めた.臨床的に,軟性線維腫を疑い切除した.病理組織学的に,真皮に膠原線維増生を伴う線維芽細胞様細胞の増生や,拡張した脈管の増生を認めた.免疫組織学的に,増生している細胞は,ビメンチン陽性,デスミン陽性,エストロゲンレセプター陽性,プロゲステロンレセプター陽性であり,侵襲性血管粘液腫と診断した.侵襲性血管粘液腫は産婦人科からの報告が半分以上を占め,皮膚科からの報告は稀である.しかし,皮膚科を受診することもあり,注意を要する.また,再発率が高い腫瘍であり,十分な切除と慎重な経過観察が必要と考える.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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