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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科68巻1号

2014年01月発行

文献概要

症例報告

皮膚硬化に対しペニシラミンが有効であった好酸球性筋膜炎の1例

著者: 若林満貴1 秋山俊洋1 種田研一1 深井達夫1 吉池高志1

所属機関: 1順天堂大学医学部附属静岡病院皮膚科

ページ範囲:P.70 - P.74

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要約 65歳,女性.初診2か月前より四肢遠位部の硬化と掻痒が出現し膠原病内科で精査を受けた.血清学的異常がみられず当科へ紹介され受診した.末梢血好酸球が軽度上昇し,前腕の皮膚硬化局面の病理組織像で皮下に強い線維化を認め,線維性に肥厚した筋膜部分に好酸球が散見されたことから,好酸球性筋膜炎と診断した.線維化が強いことからペニシラミン200mg/日の内服を開始したところ,皮膚硬化は速やかに改善した.しかし,皮膚硬化の改善に反して,末梢好酸球数が上昇したため,プレドニゾロン全身投与を併用し,好酸球数も正常化するに至った.さらに,経過中にペニシラミンによる苔癬型薬疹を併発し,ペニシラミンを中止したところ皮膚硬化のみが再燃した.自験例において,ペニシラミンは皮膚硬化に有効であることが示唆された.線維化が強く,硬化が完成している症例に対しては,ペニシラミンの有効性が期待される.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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