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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科68巻1号

2014年01月発行

文献概要

症例報告

ステロイド内服が奏効した顔面播種状粟粒性狼瘡の1例

著者: 秋山俊洋1 若林満貴1 種田研一1 深井達夫1 山秋孝子2 吉池高志1

所属機関: 1順天堂大学医学部附属静岡病院皮膚科 2修善寺クリニック

ページ範囲:P.75 - P.79

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要約 42歳,女性.初診の3か月前に眼囲,口囲を中心に発疹が出現した.近医で膿疱性痤瘡の診断の下,各種抗生剤の内服や外用が試みられたが,効果に乏しいため,当科紹介受診した.初診時,眼瞼周囲,口囲を中心に紅色丘疹が多発しており,一部は癒合していた.組織所見では乾酪壊死を伴わない類上皮細胞肉芽腫を認め,顔面播種状粟粒性狼瘡(lupus miliaris disseminatus faciei:LMDF)と診断した.自験例では,アダパレンとクリンダマイシン外用に加えて,CO2レーザーによる治療を施行するも効果が乏しく,ミノサイクリンの内服も無効であった.そこでステロイド内服を開始したところ,丘疹はほぼ平坦化したため,漸減し終了した.内服終了12か月目の現在も再発は認められない.種々の治療に抵抗性のLMDFでは,発症早期のステロイド内服が治療の選択肢になりうると考えた.

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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