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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科68巻10号

2014年09月発行

文献概要

原著

ナッツアレルギーの7例におけるマイクロアレイ法を用いたアレルゲンコンポーネントの検討

著者: 足立厚子1 竹森千尋1 指宿千恵子1 佐々木祥人1 干谷奈穂2 上田正登3

所属機関: 1兵庫県立加古川医療センター皮膚科 2ほしたに皮膚科 3うえだ皮フ科クリニック

ページ範囲:P.762 - P.769

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要約 ナッツ摂取後のアレルギー症状とナッツをすりつぶした液を用いたプリックテスト陽性で診断したナッツアレルギー7例を経験した.原因となったナッツは全例が複数で,クルミが最も多く6例,カシューナッツ4例,アーモンド3例,ピーナッツ2例,ピスタチオ,ヒマワリの種,五味子,ゴマ,クリ各1例であった.口腔アレルギー症候群(oral allergy syndrome:OAS)から始まるものが5例,蕁麻疹を伴うものが3例,顔面腫脹2例,呼吸困難や下痢など全身症状合併が4例で重症例が多かった.アレルゲンコンポーネントマイクロアレイ法により4例は2Sアルブミン,7Sグロブリン,11Sグロブリンなど貯蔵蛋白の関与が推察され,1例のみハンノキ花粉との交叉による感染特異的蛋白質(PR-10)によるOASが疑われた.残り2例は既知の抗原は陰性で,未知の抗原の関与が疑われた.6例は原因ナッツの摂取禁止のみで,花粉からの交叉の1例は原因ナッツ,果物および豆乳の摂取禁止で再発はない.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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