icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科68巻10号

2014年09月発行

文献概要

症例報告

後頭部に生じた木村病の1例

著者: 江上将平1 野村尚志1 笠井弘子1 横山知明1 藤本篤嗣1 杉浦丹1

所属機関: 1静岡市立清水病院皮膚科

ページ範囲:P.801 - P.806

文献購入ページに移動
要約 39歳,男性.1年前より後頭部に腫瘤を自覚,漸次増大した.初診時には小児手拳大の弾性軟の皮下腫瘤を認めた.後頸部リンパ節腫脹と末梢血中の好酸球(671/μl)とIgE(1,159IU/ml)の増多を認めた.病理組織学的には,皮下に胚中心を持つリンパ濾胞構造と著明な好酸球浸潤がみられ,免疫染色で胚中心に一致してIgE陽性細胞を認めた.外科的に摘出し,術後6か月経過したが再発していない.木村病が後頭部に発生することは稀である.自験例のように,周囲に重要な臓器がない後頭部の木村病は整容性を保つため,治療法として外科的切除がよい適応となると考えた.

参考文献

1) 石井正則:耳鼻展望 25:407, 1982
2) 茶谷彩華,他:臨皮 66:610, 2012
3) Park SW, et al:AJNR Am J Neuroradiol 33:784, 2012
4) Ishikawa E, et al:Acta Pathol Jpn 31:767, 1981
5) 佐々木好久,他:耳喉 43:195, 1971
6) 阿部哲夫,他:外科診療 21:611, 1979
7) 小田幸江,他:耳鼻と臨床 44:780, 1998
8) 岡崎 薫,他:臨放 47:144, 1999
9) 吉野和美,他:耳鼻臨床 99:491, 2006
10) 岩田博生,他:皮膚臨床 32:745, 1990
11) 伯野めぐみ,他:臨皮 47:1129, 1993
12) Katagiri, K, et al:Br J Dermatol 137:972, 1997
13) Teraki Y, et al:Dermatology 204:133, 2002
14) 長安慎二,他:皮膚 41:170, 1999
15) 辻本仁志,他:日口腔外会誌 42:708 1996
16) Lin YY, et al:Clin Imaging 36:272, 2012

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?