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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科68巻10号

2014年09月発行

文献概要

症例報告

高齢発症したcoccygeal padの1例

著者: 野村尚志1 江上将平1 笠井弘子1 横山知明1 藤本篤嗣1 杉浦丹1

所属機関: 1静岡市立清水病院皮膚科

ページ範囲:P.807 - P.810

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要約 74歳,男性.トラック運転手(35年間).10年程前より仙尾部に結節が生じ徐々に増大した.初診時,臀裂部左側に右方に突出した35×75mm大の弾性硬,周囲との可動性不良な索状の皮膚腫瘤を認めた.仙尾部側面の単純X線/MRIにて尾骨の前方への屈曲偏位がみられた.その後方にMRI T1強調低信号,T2強調高信号を示す不整形の索状影を認めた.全身麻酔下に仙尾部腫瘤の全摘術を施行した.病理組織像は過角化と真皮から皮下組織にかけての膨化した膠原線維が密に増生し交錯していた.以上の所見よりcoccygeal padと診断した.本疾患は10歳台の報告例が多く,高齢発症は稀である.先天的および後天的要因いずれの説も唱えられているが,自験例は後天的要因による発症と考えた.

参考文献

1) 若旅功二,他:Skin Surgery 17:94, 2008
2) 東盛貴光,他:形成外科 47:261, 2004
3) 太田純子:皮膚 27:193, 1985
4) 長門 一,他:皮膚病診療 27:567, 2005
5) Nakamura A, et al:J Dermatol 22:365, 1995

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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