icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科68巻11号

2014年10月発行

症例報告

カメムシにより生じた足底橙色色素斑

著者: 泉谷一裕1

所属機関: 1泉谷皮膚科

ページ範囲:P.851 - P.856

文献概要

要約 9〜65歳の男性4名,女性1名の足底に無症候性橙色色素斑が認められた.8mm大の色素斑を認めるもの,小さな色素斑を散在性に多数認められる症例があった.現症では炎症所見は認められなかった.皮膚に色素斑を生じ,春と秋に好発するため,臀部や頰部で報告されているカメムシ皮膚炎との関連性を推察した.しかしながら,これまでカメムシが及ぼす足底の変化を調べた報告は全くなかった.そこで,マルカメムシ,クサギカメムシの2種を足底で踏む皮膚試験を施行し,その皮膚の変化を観察した.クサギカメムシでは試験開始5分以内に自験例と同様の橙色色素斑が出現し,2週間で完全に消退した.試験経過中カメムシ皮膚炎とは異なり,炎症所見は全く認めなかった.以上より,自験例の色素斑はカメムシにより生じた足底橙色色素斑と判断した.治療は不要で2週間以内に自然消退する.

参考文献

1) 宮内俊次:皮膚病診療 29:669, 2007
2) 福田英嗣:皮膚病診療 25:907, 2003
3) Jones SK, et al:Br J Dermatol 119:121, 1988
4) Haddad V Jr, et al:Wilderness Environ Med 13:48, 2002
5) Anderson BE, et al:Dermatitis 23:170, 2012
6) 北村實彬:植物防疫 34:215, 1980
7) 高山かおる,他:日皮会誌 119:1757, 2009
8) 清水 宏:あたらしい皮膚科学,第2版,中山書店,p2, 2011
9) 高橋元次,他:皮膚臨床 35:1187, 1993
10) Ya-Xian Z, et al:Arch Dermatol Res 291:555, 1999

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら