icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科68巻11号

2014年10月発行

症例報告

硬化性萎縮性苔癬様の病理組織像を示したgeneralized morpheaの1例

著者: 村田紗葵子1 石黒直子1 前田梓1 川島眞1

所属機関: 1東京女子医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.879 - P.883

文献概要

要約 42歳,女性.5年前から胸腹部に鶏卵大までの褐色斑が出現した.徐々に,軀幹,四肢へ増数拡大し,癒合して局面を形成し,一部では皮膚硬化を伴った.1年前から局面の一部に光沢を認め,白色結節も混じてきた.硬化局面からの皮膚生検像では,真皮全層から脂肪織にかけて膠原線維の増生を認めた.硬化局面内の白色結節部では表皮は萎縮し,真皮浅層の浮腫と表皮真皮境界部では裂隙を形成していた.抗核抗体640倍,抗ss-DNA IgG抗体117AU/ml,補体低下がみられた.以上より,硬化性萎縮性苔癬様の病理組織像を示したgeneralized morpheaと診断した.プレドニゾロン20mg/日を2か月内服し,皮膚硬化が軽快するとともに白色結節も平坦化した.Morpheaの進行期の病変では時に硬化性萎縮性苔癬様の病理組織所見を伴うことに留意する必要があると考えた.

参考文献

1) 鷲尾 健,他:皮膚病診療 32:1107, 2010
2) 玉置邦彦,他(編):最新皮膚科学大系,9巻,1版,中山書店,p106, 2002
3) 税田知子:Visual Dermatology 9:908, 2005
4) 天野博雄,他:臨皮 50:337, 1996
5) 桜井直樹,鳥居秀嗣:臨皮 59:1186, 2005
6) 玉置邦彦,他(編):最新皮膚科学大系,10巻,1版,中山書店,p188, 2002
7) 土橋英治,他:皮膚臨床 32:275, 1990
8) 永田祥子,他:西日皮膚 59:549, 1997

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら