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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科68巻12号

2014年11月発行

文献概要

症例報告

右前腕に限局した再発性環状紅斑様乾癬の1例

著者: 土橋人士1 長谷川敏男1 秋山俊洋1 込山悦子1 池田志斈1

所属機関: 1順天堂大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.943 - P.946

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要約 33歳,女性.1年前より右前腕に紅斑が出現し,ステロイド外用,抗真菌剤外用などを行ったが出没を繰り返していた.初診時,発熱などの全身症状はなく,辺縁に襟飾り状の鱗屑,痂疲が付着し,粟粒大膿疱を伴う環状の紅斑が右前腕に存在していた.膿疱は無菌性で,真菌も検出されなかった.病理組織像では角層下膿疱と,表皮内に好中球浸潤を伴った海綿状態がみられた.臨床像,病理組織所見より右前腕に限局した再発性環状紅斑様乾癬と診断した.診断後,ビタミンD3軟膏,ステロイド軟膏の外用とターゲット型エキシマライト照射併用にて経過観察中である.再発性環状紅斑様乾癬で,自験例のように皮疹が限局している症例は非常に稀である.限局した皮疹が経過中に汎発化した報告例もあるため,今後慎重に経過を観察する必要がある.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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