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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科68巻12号

2014年11月発行

文献概要

症例報告

小児に生じた皮下型環状肉芽腫の1例

著者: 長縄真帆1 早川彰紀1 柴田章貴1 満間照之1

所属機関: 1一宮市立市民病院皮膚科

ページ範囲:P.947 - P.949

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要約 3歳,男児.初診6か月前より後頭部に可動性ある複数の皮下結節が出現したため当科を受診した.初診時,後頭部に可動性のある小指頭大までの皮下結節を数か所認めた.血液検査では異常はなく,頭部CTにて後頭部皮下に孤立性病変を認めた.生検による病理組織診断では,軽度の炎症所見を認めるのみで確定診断には至らなかった.経過観察中に結節が5個までに増え,痛みを伴ってきたため,家族の希望もありすべての結節を全身麻酔下に摘出した.全摘標本の病理組織診断では,真皮に膠原線維の類壊死とそれを取り囲むように組織球とリンパ球が浸潤し柵状に配列し浸潤しており,皮下型環状肉芽腫と診断した.その後,再発を認めない.皮下型環状肉芽腫は臨床像からの診断が困難であり,環状疹を伴わないことも半数以上あり,確定診断には病理組織学的診断が必要であった.当疾患は小児に多いため,小児に皮下結節が生じた際には環状肉芽腫も念頭に置く必要がある.

参考文献

1) 河村俊光:現代皮膚科学体系,第18巻,中山書店,p370, 1984
2) 柴山久代,他:西日皮膚 61:588, 1999
3) 山本 純,他:臨皮 60:349, 2006
4) 足立孝司:西日皮膚 70:251, 2008
5) 永田佳子,他:皮膚臨床 48:1687, 2006
6) 西村百合香,他:皮膚臨床 41:1868, 1999
7) Dabski K:J Am Acad Dermatol 20:39, 1989

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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