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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科68巻12号

2014年11月発行

文献概要

症例報告

帝王切開の手術瘢痕部に生じた異所性子宮内膜症の1例

著者: 丸山彩乃1 早石佳奈1 水野麻衣1 吉良正浩1 福田健児2 大橋寛嗣3

所属機関: 1市立池田病院皮膚科 2市立池田病院形成外科 3市立池田病院病理診断科

ページ範囲:P.971 - P.973

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要約 33歳,女性.2006年に帝王切開の既往があった.2012年5月上旬に下腹部に疼痛を伴う皮下腫瘤を自覚した.近医産婦人科を受診したところ,腹部エコーにて帝王切開の手術瘢痕下に皮下腫瘤を認め,2012年7月中旬当科を紹介受診し,造影CTにて帝王切開の手術瘢痕下に径16mm大の境界不明瞭な皮下腫瘤を認め局所麻酔下にて切除した.病理組織学的には,増生した膠原線維内に子宮内膜組織に類似した1層の円柱上皮からなる管腔構造を多数認め,帝王切開の手術瘢痕部に生じた異所性子宮内膜症と診断した.術後再発は認めていない.帝王切開の手術瘢痕部に皮下腫瘤を認める場合には,異所性子宮内膜症も念頭に置く必要がある.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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