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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科68巻12号

2014年11月発行

文献概要

症例報告

センチネルリンパ節に転移を認めた下腿エクリン汗孔癌の1例

著者: 伊東可寛1 小林孝志1 白樫祐介1 五味博子1 福積聡2 藤井博史3 早川和人1

所属機関: 1帝京大学ちば総合医療センター皮膚科 2帝京大学ちば総合医療センター形成外科 3国立がんセンター東病院臨床開発センター機能診断開発部

ページ範囲:P.974 - P.978

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要約 76歳,男性.約30年前から左下腿に爪甲大の扁平隆起性赤褐色局面を自覚し,3年前より急速に増大したため受診した.初診時,左下腿内側にびらんを伴う易出血性の径約5cmの広基性紅色腫瘤を認めた.病理組織所見は淡染性で多角形の胞体を有するporoid cell様の異型細胞と,好酸性で大型のcuticular cell様の異型細胞で構成される大小の充実性胞巣が真皮内で帯状に吻合して増殖し,細胞質内や細胞間に管腔様構造を呈しておりエクリン汗孔癌と診断した.PET-CTで明らかな転移巣を認めなかった.腫瘍辺縁より1cm離して拡大切除,色素法・蛍光法併用によるセンチネルリンパ節生検を施行した.大伏在静脈外側にセンチネルリンパ節を同定して摘出し,転移を認め,リンパ節郭清術を施行した.画像所見でリンパ節転移所見を認めない場合でも,積極的なセンチネルリンパ節生検が有用であると考えた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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