icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科68巻13号

2014年12月発行

症例報告

発汗低下を訴えた4例の温熱発汗試験の結果について

著者: 田中登希子1 林良太1 松尾淑江1 丸山涼子1 五十嵐可奈子1 苅谷直之1 伊藤雅章1

所属機関: 1新潟大学大学院医歯学総合研究科皮膚科学分野

ページ範囲:P.1020 - P.1024

文献概要

要約 2012年に発汗低下を主訴に当科を受診した4例に対し温熱発汗試験を施行した.2例は発汗を認めず,特発性後天性全身性無汗症(idiopathic acquired generalized anhidorosis:IAGA)と診断した.残る2例は正常に発汗を認め,1例はコリン性蕁麻疹と診断し,もう1例は皮膚科的に異常を認めず,各種自己抗体も陰性であった.以上の4例と過去に当科で温熱発汗試験を施行した19例を併せ,発汗低下を訴える症例の検討を行った.約半数の症例で正常発汗を認め,原疾患は主にコリン性蕁麻疹,アトピー性皮膚炎であった.皮膚科的に異常を認めない症例も存在し,内科・精神科疾患等の原因検索を要する症例もあると考えられた.発汗低下を認めた症例の多くはIAGAであり,ステロイドパルス療法施行例は大部分の症例で軽快した.発汗低下を主訴とする場合,まずは積極的に温熱発汗試験を実施すべきである.

参考文献

1) 田中智子,他:皮膚病診療 32:135, 2010
2) 山田南穂,他:皮膚臨床 54:595, 2012
3) 土屋朋子,他:臨皮 58:129, 2004
4) 平林 徹,他:東医大誌 51:347, 1993

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら