icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科68巻13号

2014年12月発行

文献概要

症例報告

サラゾスルファピリジン(サラゾピリン®)によるdrug-induced hypersensitivity syndromeの1例

著者: 伊東由美子1 小川浩平1 森戸啓統1 大黒奈津子1 福本隆也1 小林信彦1 浅田秀夫1

所属機関: 1奈良県立医科大学皮膚科

ページ範囲:P.1031 - P.1035

文献購入ページに移動
要約 64歳,女性.前医で非特異的腸炎に対してサラゾスルファピリジンの内服を開始した.内服32日目に発熱,33日目に全身に紅斑が出現したため内服を中止した.紅斑の改善を認めず,肝機能障害もみられたため精査加療目的で発症10日目に当院に転院した.転院時,紅皮症を呈し,顔面の浮腫と口囲の落屑および口唇の腫脹を認めた.頸部リンパ節腫脹があり,血液検査では好酸球増多を伴う白血球増多がみられた.Drug-induced hypersensitivity syndromeを考え,プレドニゾロン40mgの内服を開始した.症状は一旦改善したが,発症15日目に発熱,18日目にはASTおよびALTの再上昇,血小板減少を認め,ヒトヘルペスウイルス6型DNAを検出した.プレドニゾロンを60mgに増量したところ症状は軽快し,以後プレドニゾロンを漸減したが症状の再燃はなく,発症49日目に退院した.リンパ球刺激試験の結果から,サラゾスルファピリジンの分解産物が原因の可能性が高いと考えた.

参考文献

1) 橋本公二:厚生科学特別研究事業平成17年度総括研究報告,2005
2) 福田英三:薬疹情報,13版,福田皮ふ科クリニック,p461, 2005
3) Kano Y, et al:Allergy 62:1439, 2007
4) 東福有佳里,他:山中病年報 35:88, 2008
5) 西村貴士,他:日消誌 104:36, 2007
6) Furukawa K, et al:Modern Rheumatology 17:492, 2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?