icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科68巻13号

2014年12月発行

症例報告

多発皮下結節を呈したびまん性大細胞型B細胞リンパ腫の1例

著者: 山田陽三1 尾藤利憲1 小谷晋平1 小倉香奈子1 錦織千佳子1

所属機関: 1神戸大学大学院医学研究科内科系講座皮膚科学教室

ページ範囲:P.1059 - P.1063

文献概要

要約 76歳,男性.初診時全身に多発した皮下結節を呈し,病理組織学的にCD20,CD79a,MUM1,Bcl-2,Bcl-6陽性の腫瘍細胞が脂肪織に限局してみられた.また,LDHの上昇(352IU/l),精査にて骨,リンパ節病変を認めたことより,びまん性大細胞型B細胞リンパ腫,Ann Arbor分類Ⅳ期(International Prognostic Index:high risk群)と診断した.著明な心機能低下(左室駆出率25%)を合併しており,低用量のエトポシド内服治療(25〜50mg/日)を選択し,皮下結節は縮小傾向を示し,ある程度の効果を得たが,心室細動により永眠した.過去の報告において皮膚原発のものは組織学的に脂肪織に限局して病変を認めるものはなく,自験例も精査にて骨,リンパ節病変があったことより,皮膚以外の臓器に原発したびまん性大細胞型B細胞リンパ腫と考えた.

参考文献

1) 市村浩一,吉野 正:新・皮膚悪性リンパ腫アトラス,文光堂,p110, 2006
2) 高橋ユエ,他:皮膚病診療 31:589, 2009
3) 鈴木 薫,他:臨皮 65:891, 2011
4) Aoki R et al:Pathol Int 58:174, 2008
5) 稲熊容子,岡本昌隆:内科 102:306, 2008
6) Steven H, et al:WHO Classification of Tumor of Haematopoietic and Lymphoid Tissue, IARC press, Lyon, p233, 2008
7) 飯塚さとし,他:臨皮 60:1258, 2006
8) 黒木康雅,他:日皮会誌 100:71, 1990
9) 加賀谷真起子,他:皮膚臨床 49:697, 2007
10) Coiffier B, et al:N Engl J Med 346:235, 2002
11) Pfreundschuh M, et al:Lancet Oncol 7:379, 2006
12) Feugier P, et al:J Clin Oncol 23:4117, 2005
13) 小椋美知則:日老医誌 47:271, 2010
14) 藤原豊博:Pharm Med 15:191, 1997
15) 伊東克郎,他:日化療会誌 47:172, 1999

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら