icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科68巻2号

2014年02月発行

文献概要

原著

蕁麻疹およびその類症の診断におけるアプローチ法

著者: 石黒直子1 山名やよい1 秋津美帆1 川島眞1

所属機関: 1東京女子医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.106 - P.112

文献購入ページに移動
要約 2009~2011年に当科蕁麻疹外来に登録された92例の蕁麻疹およびその類症患者で,実際にどのように診断を行ったかについてretrospectiveに検討し,診断におけるアプローチ法の検証を試みた.アプローチ法としては,まずは数回の診察を通して調査票への記載を詳細に行わせ,原因を絞り込み,蕁麻疹の原因別の大体の分類を行った.その上で,食物依存性運動誘発性アナフィラキシー(food-dependent exercise-induced anaphylaxis:FDEIA),口腔アレルギー症候群,食物による通常の蕁麻疹・血管浮腫では,疑われる原因食物についての血清特異的IgE値の測定,皮膚テストを施行し,コリン性蕁麻疹ではアセチルコリン皮内テストを施行することで,確認を行った.また,全症例で除去試験での症状の軽快を確認し,寒冷・日光蕁麻疹や可能であればFDEIAでも負荷試験での誘発を行った.以上の結果を加味して,最終的な診断を行った.診断にあたっては,数回の医療面接での原因の絞り込みが最も有用と考えた.

参考文献

1) 石黒直子,他:皮膚臨床 51:885, 2009
2) 高路 修:最新皮膚科学大系,3巻,中山書店,p196, 2002
3) 堀川達弥:臨牀看護 32:1432, 2006
4) 千貫祐子,森田栄伸:臨皮 66(増刊):8, 2012
5) 秀 道広,他:日皮会誌 121:1339, 2011

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?