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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科68巻2号

2014年02月発行

治療

ヒアルロン酸注入により良好な治療効果を得た剣創状強皮症の2例

著者: 大森康高1 松尾光馬1 高見洋2 中川秀己1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学皮膚科学講座 2タカミクリニック南青山

ページ範囲:P.180 - P.184

文献概要

要約 症例1:17歳,女性.初診の約5年前より額の髪際部から眉間にかけて線状の皮膚陥凹が出現し当科を受診した.臨床所見より剣創状強皮症と診断した.その後,陥凹部の拡大はみられず,ヒアルロン酸(レスチレン®;Q-med社)を2.5ml注入した.局所の副作用もなく,注入後3年5か月を経過しても効果は持続している.症例2:25歳,女性.初診の約7年前より前頭部に脱毛が生じ,その後同部位から眉間にかけて線状の皮膚陥凹が出現した.2年前に近医を受診し,剣創状強皮症の診断にてステロイド局所注射を施行されたが症状改善せず,当科を受診した.その後,陥凹部の拡大はみられず,ヒアルロン酸(Restylane®)を計3回,7ml注入した.注入後1年3か月を経過しても,効果は持続している.侵襲が少なく,繰り返し行うことも可能であるヒアルロン酸注入は剣創状強皮症に対し有効な治療法の1つであると言える.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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