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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科68巻3号

2014年03月発行

文献概要

症例報告

アートメイク部に肉芽腫を生じたサルコイドーシスの1例

著者: 神野直子1 竹中祐子1 石黒直子1 望月大輔2 喜多村一孝2 鈴木豪2 川島眞1

所属機関: 1東京女子医科大学皮膚科 2東京女子医科大学循環器内科

ページ範囲:P.229 - P.233

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要約 61歳,女性.初診の4年前より心サルコイドーシスを疑われ,1年前に完全房室ブロックにてペースメーカーを挿入した.当院内科での心サルコイドーシスの精査入院中に,皮疹につき当科を紹介された.3年前より計3回両眉毛部に施術されたアートメイク部に一致して鱗屑を付す紅色小結節を認め,項部には大豆大の紅色結節,両下腿に母指頭大の紅褐色斑や扁平結節が散在していた.眉毛部の紅色小結節の病理組織像は非乾酪性類上皮細胞肉芽腫であり,真皮内に色素顆粒が散見された.Gaシンチグラフィー,PET検査で両側肺門リンパ節腫脹と心臓,肺に多発する結節陰影を認めた.サルコイドーシスと診断し,プレドニゾロン30mg/日を開始したところ4週間後には画像検査での集積像は消失し,5週間後には皮疹も軽快傾向となった.サルコイドーシスの瘢痕浸潤と考えた.アートメイクや刺青部に紅斑や結節を認めた場合には,サルコイドーシスを考慮する必要があると考えた.

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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