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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科68巻3号

2014年03月発行

文献概要

症例報告

座位の生活習慣により重度の臀部褥瘡とelephantiasis nostras verrucosaを生じた1例

著者: 村上香織1 齋藤京1

所属機関: 1さいたま市立病院皮膚科

ページ範囲:P.239 - P.244

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要約 62歳,男性.東日本大震災を契機に自宅内部は生活用品が散乱したため,半年間玄関にて座位で過ごした.下腿に浮腫,色素沈着,皮膚肥厚を伴う疣状局面を認めelephantiasis nostras verrucosa(ENV)を呈し,坐骨結節,尾骨に達する臀部褥瘡も生じた.血液検査でCRP 20mg/dl,Alb 2.2g/dl,細菌培養で下腿疣状局面よりブドウ球菌,臀部褥瘡より嫌気性菌を含む複数の菌種,CT画像上ガス像を伴わない臀部潰瘍を認めた.タゾバクタム/ピペラシリン4.5g/日投与と壊死組織除去,持続陰圧療法にて褥瘡は2か月で縮小し,ENVも挙上,洗浄で改善した.自験例は長期座位で過ごす生活習慣を原因とする褥瘡を併発したENVの1例であった.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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