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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科68巻3号

2014年03月発行

文献概要

症例報告

悪性化した巨大尖圭コンジローマの1例

著者: 崎山とも1 平井郁子1 木花光1 黄聖琥2 崎山真幸3

所属機関: 1済生会横浜市南部病院皮膚科 2済生会横浜市南部病院形成外科 3防衛医科大学校皮膚科学教室

ページ範囲:P.255 - P.258

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要約 60歳,男性.5,6年前より肛門付近に掻痒を伴う皮疹があった.当院外科で生検を行い,尖圭コンジローマと診断され,当科に依頼された.初診時,仙骨部から会陰部にかけて手掌大のカリフラワー状の赤褐色腫瘤を認めた.全摘出標本で一部真皮内への浸潤像と核異型があり,悪性化した巨大尖圭コンジローマと診断した.巨大尖圭コンジローマはBucshke-Löwenstein腫瘍とも呼ばれ,悪性化の報告は多いが転移の報告はほとんどない.慢性刺激や免疫抑制状態などが巨大化の誘因となるとされている.自験例のように全摘出を行って初めて悪性像を確認できる症例もあるため,治療としては外科的切除を行い,病理組織学的に検討することが重要と考えた.

参考文献

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12) Antony FC, et al:Clin Exp Dermatol 28:46, 2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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