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症例報告
顔面に生じた有茎性アポクリン型皮膚混合腫瘍の1例
著者: 種本紗枝1 布袋祐子1
所属機関: 1荻窪病院皮膚科
ページ範囲:P.259 - P.262
文献購入ページに移動要約 83歳,男性.12年前より左鼻下に皮疹を自覚し徐々に増大した.初診時,左鼻翼下に紅褐色,光沢のある25mm大の有茎性腫瘍を認めた.ダーモスコピーで血管拡張像あり.MRI検査にて,不均一な造影効果を認めた.病理組織学的に,HE染色で好酸性に染色される充実構造および腺管構造と,好塩基性に染色される間質構造を認めた.管腔は2層の細胞から構成され,一部断頭分泌像がみられた.また,充実部上皮細胞の一部には,大型で異型の核を有するものや,核分裂像を伴う細胞があった.MIB1/p53染色では,多型性や分裂像を伴う細胞も含め陰性であった.CEAは腺管部管腔側細胞に,S100蛋白は充実部の上皮細胞に,α-SMAは,管腔部の筋上皮細胞に発現していた.上記より皮膚混合腫瘍と診断した.自験例は,比較的大型で,MRIで不均一な造影効果や一部の上皮細胞からは悪性を疑う所見もあり,悪性皮膚混合腫瘍との鑑別が必要であった.
参考文献
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