文献詳細
文献概要
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文献紹介 真皮γδT細胞由来のFgf9がマウスにおける創傷治癒後の毛包新生を誘導する
著者: 伊勢美咲1
所属機関: 1慶應義塾大学
ページ範囲:P.248 - P.248
文献購入ページに移動 げっ歯類では創傷治癒過程で毛包が再生されることが報告されているが,ヒトでは再生されない.この毛包新生に関与するメカニズムについて検討した.
マウス皮膚の創傷部では,受傷後10日目以降の真皮でFgf9の発現が増強しており,それに応じて新生毛包も増加した.解析の結果,受傷後12日目の段階でFgf9が主に真皮のγδT細胞から分泌されることがわかった.遺伝子改変によりγδT細胞を欠損したマウス,あるいはT細胞特異的にFgf9を欠損させたマウスでは同程度に新生毛包が減少した.これより,γδT細胞が産生するFgf9が創傷治癒の後期の毛包新生に重大な役割を持つことが示唆された.
マウス皮膚の創傷部では,受傷後10日目以降の真皮でFgf9の発現が増強しており,それに応じて新生毛包も増加した.解析の結果,受傷後12日目の段階でFgf9が主に真皮のγδT細胞から分泌されることがわかった.遺伝子改変によりγδT細胞を欠損したマウス,あるいはT細胞特異的にFgf9を欠損させたマウスでは同程度に新生毛包が減少した.これより,γδT細胞が産生するFgf9が創傷治癒の後期の毛包新生に重大な役割を持つことが示唆された.
参考文献
Gay D, et al:Fgf9 from dermal γδ T cells induces hair follicle neogenesis after wounding. Nat Med 19:916-923, 2013
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