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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科68巻4号

2014年04月発行

文献概要

症例報告

Nodular-cystic fat necrosisの3例

著者: 水口将志1 崎山真幸1 薮田潤子1 藤本典宏1 佐藤貴浩1 多島新吾2

所属機関: 1防衛医科大学校皮膚科学講座 2並木病院皮膚科

ページ範囲:P.303 - P.306

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要約 症例1:29歳,女性.右腰部に20×5mm大の境界明瞭,弾性硬,下床との可動性良好な皮下結節を認めた.症例2:44歳,女性.左右上腕屈側に弾性硬,下床との可動性良好な皮下結節が生じた.症例3:89歳,女性.右臀部に弾性硬,下床との可動性良好な皮下結節を多数認めた.病理組織像はいずれも線維性被膜に包まれた脂肪壊死であった.2例は脂肪壊死細胞の形態が保たれていたが,血管構造や核遺残は認められずnodular-cystic fat necrosis(NCFN)の中期病変であった.1例は脂肪細胞の形態がほとんど認められず,線維成分に置換されており,晩期病変に相当した.発症誘因として,軽微な外傷を繰り返していたことや,皮膚筋炎とその治療に長期間用いられたステロイドの影響などが考えられた.自験例のような症例はmobile encapsulated lipoma,encapsulated fat necrosisとも報告されているが,いずれも脂肪変性・壊死像であり,NCFNとして名称の統一が望ましいと考える.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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