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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科68巻4号

2014年04月発行

文献概要

症例報告

ラモトリギンとバルプロ酸ナトリウム併用療法によって生じた薬剤性過敏症症候群の1例

著者: 大浪宏介1 村田壱大1 島貫美和1 阿部優子1 鈴木民夫1

所属機関: 1山形大学医学部皮膚科学講座

ページ範囲:P.307 - P.312

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要約 42歳,女性.近医てんかん専門病院にてラモトリギンとバルプロ酸による治療を開始され約2か月後に全身に発熱を伴う浸潤性紅斑を生じた.血液生化学検査にて軽度肝機能障害と異型リンパ球が検出され,DLSTはラモトリギン,バルプロ酸ともに陽性であった.HHV6の再活性化が確認され,ラモトリギンとバルプロ酸の併用による薬剤性過敏症症候群(drug-induced hypersensitivity syndrome:DIHS)と診断した.ラモトリギンは2009年に認可された新規抗てんかん薬であり,本邦での薬疹報告例は比較的少数である.ラモトリギンによるDIHS本邦報告例について検討したところ,全体で13例,うち6例においてバルプロ酸が併用されていた.ラモトリギンは国際的に使用頻度の高い薬剤であり,今後同様な患者の増加が予想されることから,注意が必要と思われる.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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