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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科68巻4号

2014年04月発行

文献概要

症例報告

マルチビタミン剤の内服後に発症しヘルペスウイルスの再活性化をきたした紅皮症の1例

著者: 三井田博1

所属機関: 1新潟県立新発田病院皮膚科

ページ範囲:P.343 - P.348

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要約 62歳,男性.当科初診前までの4年間,断続的に市販のマルチビタミン剤を服用していた.他に服用薬剤なし.2012年8月,全身の紅斑と肝障害が出現したため,近医を経て9月上旬に当科を紹介された.全身に滲出性で融合傾向の強い紅斑を認め紅皮症の状態であった.下腿には標的状紅斑もみられた.さらに顔面には鱗屑を付着する発赤・腫脹を認めた.ビタミン剤以外に投薬がなく薬疹ではない多形滲出性紅斑と考えた.しかし顔面の所見が薬剤性過敏症症候群に酷似しており,ヒトヘルペスウイルス6の抗体価が1,280倍であり,その後,640~2,560倍の変動を認めた.次いでEpstein-Barrウイルスやサイトメガロウイルス抗体価も高値であった.自験例はマルチビタミン剤による薬疹や薬剤性過敏症症候群とも言えるが,本人の服用歴が不確かで発症当初は既に同剤を中止していた可能性があり,薬疹とするよりも免疫再構築症候群類似の病態として捉えると理解しやすいと思われた.

参考文献

1) 橋本公二:日皮会誌 116:1575, 2006
2) 平原和久,他:臨皮 64(増刊):14, 2010
3) 山本俊幸:標準皮膚科学,10版,医学書院,p147, 2013
4) 中村和子,他:日皮会誌 115:1779, 2005
5) Valeyrie-Allanore L, et al:Br J Dermatol 163:847, 2010
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7) 石田 正,他:臨皮 64:260, 2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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