文献詳細
--------------------
文献紹介 ヒト毛包細胞におけるソマトスタチンの発現と,そのimmune privilegeにおける役割 フリーアクセス
著者: 龍神操1
所属機関: 1慶應義塾大学
ページ範囲:P.337 - P.337
文献概要
まず,sheath, bulb由来ケラチノサイトと表皮ケラチノサイトを末梢血単核球細胞と共培養したところ,表皮ケラチノサイトと比較して,bulb, sheath由来ケラチノサイトと共培養した単核球からのINF-γ分泌量,またINF-γやKi-67を発現するCD4,CD8細胞数は少なかった.次にsheath, bulb由来ケラチノサイトにおけるIP関連遺伝子発現を評価すると,β2ミクログロブリンやHLA-DP,HLA-DR,HLA-DQ発現が低下する一方でHLA-Gの発現は増強していた.またPCR法を用いた定量評価にて,sheath, bulb細胞で免疫調整因子であるソマトスタチンの強発現を認めた.免疫組織化学的に検討すると,やはりsheath, bulbのケラチノサイトではソマトスタチンの陽性反応が確認された.また,表皮,sheath,bulbそれぞれのケラチノサイトの培養上に含まれるソマトスタチンの量をELISA法で測定したところ,特にsheath由来ケラチノサイトにおいて分泌量が増大していた.さらに,表皮ケラチノサイトと末梢血単核球細胞にソマトスタチンを加えて培養するとINF-γ分泌量の抑制が確認され,ここにソマトスタチンレセプター阻害剤であるcSSTやソマトスタチン分泌を抑制するSSTR1を加えるとINF-γ分泌量が増加することが確認された.
参考文献
掲載誌情報