文献詳細
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書評 ―総編集:古江増隆,専門編集:横関博雄 皮膚科臨床アセット18―紅斑と痒疹―病態・治療の新たな展開 フリーアクセス
著者: 飯塚一1
所属機関: 1旭川医科大学・皮膚科学
ページ範囲:P.371 - P.371
文献概要
今回,「皮膚科臨床アセット」シリーズのテーマとしてまとめられた紅斑や痒疹は,いずれも皮疹を基盤とする古典的概念であるが,どちらかというと,記載皮膚科学的疾患群であり,病因,病態分析,および治療面の対応は,必ずしも劇的に進んできたとは言い難い領域でもあった.したがって,これらの2つは,いわゆるトピックスとして,まとめられる機会も少なく,しかも,疾患群としては,病名も患者数も意外に多い分野である.一方で,膠原病や薬疹,さらには中條-西村症候群のように遺伝子異常が解明された稀少疾患など,近年,病態の解明に伴う皮疹の理解が,急速に解明された部分もあり,紅斑,痒疹については,古典的病名の是非も含め,新しい眼で見直す必要がある.あらゆる皮疹は,適切に把握され,そして病態・治療と結びつけられるべき概念なのである.
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