要約 自己炎症性疾患/自己炎症症候群(autoinflammatory diseases/syndrome)は,狭義には遺伝子異常により引き起こされる炎症性疾患で,臨床的には,周期性の発熱,関節炎や発疹,腹痛などの症状がみられ,新生児期から小児期より慢性的に持続経過する.自己炎症性疾患の中で,特に皮膚症状が特徴的なNOD-like receptor遺伝子関連のクリオピリン関連周期性症候群および若年発症サルコイドーシス/Blau症候群に焦点を当てた.ともに日常診療で滅多に出会う機会のない稀少疾患ではあるが,両疾患とも正しく診断されるかどうかは患者のその後のQOLを大きく作用するため,特徴的な臨床像を皮膚科医が理解していることは重要である.
雑誌目次
臨床皮膚科68巻5号
2014年04月発行
雑誌目次
増刊号特集 最近のトピックス2014 Clinical Dermatology 2014
1.最近話題の皮膚疾患
膿疱性乾癬の遺伝と多様な病型
著者: 杉浦一充
ページ範囲:P.15 - P.19
要約 膿疱性乾癬は汎発性膿疱性乾癬(generalized pustular psoriasis:GPP)と限局性膿疱性乾癬に分類される.GPPは全身の膿疱の発症の前後に尋常性乾癬(psoriasis vulgaris:PsV)を併発する病型としない病型がある.従来GPPは単一遺伝子の変異を病因とする疾患ではなく,孤発性の疾患と考えられていた.しかし,筆者らにより,PsVを伴わないGPPの大半は
ブロム疹の再訪
著者: 中山由美
ページ範囲:P.20 - P.26
要約 1歳,男児.難治性てんかんにて加療中,両頰部・左足背に膿瘍を伴った結節が多数出現し,徐々に増大,肉芽腫性局面を形成した.病理組織学的所見では,表皮肥厚,表皮内膿瘍,真皮に好中球浸潤を認めた.細菌,真菌,抗酸菌培養はすべて陰性であった.血清臭化カリウム(KBr)は1,833μg/mlと高値であり,ブロム疹と診断した.内服中であったKBrを中止し,プレドニゾロン(PSL)内服加療を開始したところ,発症から約6週間後に紅斑局面は消退した.壊疽性膿皮症同様,皮疹の形成,進行に重要な役割があると考え,経過中の炎症性サイトカインを測定した.
下腿微小動静脈瘻
著者: 出月健夫
ページ範囲:P.27 - P.31
要約 症例1,77歳,男性.調理師で立ち仕事.左下腿のうっ滞性脂肪織炎.症例2,65歳,女性.右下腿のうっ滞性皮膚炎と潰瘍.症例3,63歳,女性.看護師で立ち仕事.左下腿のうっ滞性脂肪織炎.いずれも超音波検査を施行した.径2~3mmの微小動静脈瘻が原因と考え,結紮術を行い1~2か月で軽快した.下肢のうっ滞性の皮膚症状は,症例によっては外科的治療ですみやかに軽快するため,超音波検査をして病態を正確に把握する必要がある.伏在型の一次性静脈瘤が最も多いが,症例は少ないものの,微小動静脈瘻が原因と考えられるものも見出される.この場合,明らかな静脈瘤がない症例があり,蜂窩織炎等と誤診されることもあると考えられるため,鑑別は重要である.治療は主に結紮術を行うが,成因は不明のため長期的な経過観察が必要と考えられる.
Medical device-related pressure ulcers
著者: 立花隆夫
ページ範囲:P.32 - P.36
要約 日本褥瘡学会では,medical device-related pressure ulcers(MDRPU)は褥瘡に含めないこと,皮膚および皮膚・粘膜移行部に生じたものをMDRPUとすること,自重以外で生じたものをMDRPUとすること,また,その邦名を医療関連機器圧迫創傷とすることを提唱した.なお,医療機器は薬事法で定義(人もしくは動物の疾病の診断,治療もしくは予防に使用されること,または人もしくは動物の身体の構造もしくは機能に影響を及ぼすことが目的とされている機械器具などにあって,法令で定めるものをいう)されているので,例えば手作りの抑制帯などによって生じた圧迫関連創傷も含まれるよう医療関連機器としている.また,創は開放創などの傷口が開いているキズを指し,‘傷’は打撲傷などの傷口が開いていないキズを指すことから,圧迫創ではなく圧迫創傷としている.
2.皮膚疾患の病態
内因性アトピー性皮膚炎
著者: 戸倉新樹
ページ範囲:P.38 - P.41
要約 アトピー性皮膚炎(atopic dermatitis:AD)は外因性と内因性に分けることができる.外因性ADは,allergic typeあるいはclassical typeとも呼ばれ,われわれが日常診療で診ることが多い,IgEが高値のタイプである.皮膚バリアの障害があり,典型的にはフィラグリン遺伝子変異をもつ.一方,内因性ADはpure AD,non-allergic typeあるいはatopiform dermatitisと呼称されてきた.外因性ADは,皮膚バリア障害に基づき,蛋白抗原に反応したTh2細胞による通常のタイプであり,一方,内因性ADはIgEが正常域であり,ADの約20%を占め,女性が多い.内因性ADは,皮膚バリア機能が正常でフィラグリン遺伝子変異頻度が低い.内因性ADは外因性ADに比較して,Th1が活性化しており,金属アレルギーをもつ患者が多い.
アトピー性皮膚炎と汗抗原
著者: 平郡真記子 , 平郡隆明 , 秀道広
ページ範囲:P.43 - P.46
要約 アトピー性皮膚炎患者は,発汗を増悪因子として訴えることが多い.また,アトピー性皮膚炎患者では皮内テストや末梢血好塩基球を用いたヒスタミン遊離試験で汗に陽性となることが知られており,その反応は抗原特異的IgEを介する即時型アレルギーであることは既に報告されている.しかし,その主要な抗原についてはまだ同定できていなかった.われわれは,アトピー性皮膚炎患者の末梢血好塩基球に対するヒスタミン遊離活性を指標にしてヒト汗を精製し,その主要抗原が
温まるとなぜかゆいのか?
著者: 室田浩之
ページ範囲:P.47 - P.50
要約 皮膚疾患の代表的な症状として知られるかゆみは,難治な症例に対する治療選択に悩むことも少なくない.かゆみという感覚の存在意義とそのメカニズムに関する知識は,未解明な点が多いものの,かゆみ治療を考える際の有用な糧となろう.日常診療において「温もるとかゆい」といった訴えを日常診療で伺う機会は多い.温熱のような通常はかゆみに感じない刺激をかゆみに感じてしまう異常感覚をアロネシスと呼ぶ.「温もるとかゆい」感覚は治療に抵抗性を示すことが多い.本稿ではかゆみを概説するとともに,特に温熱で誘発されるかゆみのメカニズムに関する最近の知見をご紹介する.
移植片対宿主病(GVHD)と生着症候群
著者: 米倉健太郎
ページ範囲:P.51 - P.53
要約 移植片対宿主病は皮膚もその標的となる同種免疫反応であり,同種造血細胞移植における重大な合併症の1つである.移植に関連した免疫反応として近年,生着症候群や生着前免疫反応など高サイトカイン血症に起因すると考えられる病態が知られるようになってきた.いずれも皮疹を呈するため皮膚科医にとっても重要であるが,未解明な部分も多い.また,このほかにも移植後早期には,薬疹やウイルス感染に伴う皮疹など,鑑別が重要なさまざまな皮疹がみられる.皮膚の病理組織のみでは鑑別が困難であり,それぞれの病態の概念や臨床についても知っておく必要がある.
Frontal fibrosing alopecia
著者: 渡部怜子 , 中村元信
ページ範囲:P.54 - P.56
要約 Frontal fibrosing alopeciaは1994年Kossardによりpostmenopausal frontal fibrosing alopeciaとして初めて報告された閉経期以降の女性に好発する前頭部から側頭部の生え際の帯状瘢痕性脱毛である.現在では,男性や閉経前の女性の報告もありfrontal fibrosing alopeciaと称されることが多い.病理所見は,早期には毛包周囲や毛包内のリンパ球浸潤,毛包の液状変性がみられ,晩期には,毛包の線維化が起こる.初期の病理像がlichen planopilarisと酷似していることからlichen planopilarisの一亜型と広く考えられている.この毛包の線維化の機構について上皮-間葉転換(epithelial-mesenchymal transition)が関わっている可能性を示唆する所見を最近われわれは得ている.
3.新しい検査法と診断法
膠原病の病型・予後判定に有用な新しい特異的自己抗体検査
著者: 濱口儒人 , 竹原和彦
ページ範囲:P.58 - P.61
要約 全身性強皮症や皮膚筋炎では複数の疾患特異的自己抗体が検出され,それぞれの自己抗体は特有の臨床像と結びついている.全身性強皮症でみられる自己抗体として,抗セントロメア抗体,抗トポイソメラーゼI抗体,抗RNAポリメラーゼ抗体,抗Th/To抗体,抗U3RNP抗体,抗Ku抗体,抗hUBF抗体,抗セントリオール抗体などがある.一方,皮膚筋炎では,近年,筋症状は乏しいものの急速進行型間質性肺炎を合併する抗MDA5(抗CADM-140)抗体,悪性腫瘍と小児皮膚筋炎と相関する抗TIF1抗体が同定された.さらに,これまでは報告数が少なく臨床症状が明らかでなかった自己抗体(抗NXP-2抗体や抗SAE抗体)についても,その臨床的特徴が明らかになりつつある.しかし,これらの自己抗体の同定には手技の煩雑な免疫沈降法を要するものが多く,ELISA法が利用できる自己抗体は限られる.簡便に測定できる測定法の開発が望まれる.
足~下腿潰瘍に必須のドプラ聴診
著者: 伊藤孝明
ページ範囲:P.62 - P.66
要約 ドプラ聴診器は,従来より末梢循環障害の検査を中心に利用されてきたが,循環障害による足~下腿潰瘍の診断・鑑別診断法として,簡便で有用であるため皮膚科での活用を勧めるために本稿を書いた.潰瘍局所に原因のある場合を除くと,足部に生じる潰瘍は動脈性疾患によるものが多く,下腿部に生じる潰瘍は静脈性疾患によるものが多い.その他の原因による足~下腿潰瘍もあるが,ドプラ聴診器を用いた診察では,慣れると約3分で,下肢の動脈障害か静脈障害かを診断できるため,初診時に治療方針の切り分けができ,局所療法だけでよいのか,動脈や静脈の疾患の治療を優先すべきなのかの指針が得られる.「局所療法で改善しないため,造影CTやMRI血管撮影で精査…」より,足~下腿潰瘍を診たら,すぐに診察室でドプラ聴診にて診断する,という順番が良い.
ダーモスコピーで確定診断できる脂漏性角化症所見
著者: 貞安杏奈 , 田中勝
ページ範囲:P.67 - P.71
要約 脂漏性角化症は,黒色調を呈するため臨床的に悪性黒色腫,基底細胞癌などの悪性腫瘍との鑑別を要する.正確に診断をし,的確な治療へと導くためには,ダーモスコピーにて指紋様構造,溝・隆起,脳回転様外観,敷石状外観,面皰様開孔,多発性稗粒腫様囊腫,繊細なヘアピン様血管を見つけることが重要と考える.
爪病変のダーモスコピー
著者: 宇原久
ページ範囲:P.72 - P.77
要約 爪の色素性病変の診断には経時的な観察が必要であるため,画像保存が必須となる.早期悪性黒色腫を疑う最も重要なポイントは,年齢(成人),線条が単指(趾)のみ,爪の基部と先端で色調や幅が異なっている(特に基部のほうが先端より所見が多彩である場合)点である.小児の爪の色素線条はしばしば幅が広く,爪の破壊,爪周囲皮膚の色素斑を伴い,悪性黒色腫に似た所見を示すことがあるが,基本的には経過観察とする.ダーモスコピーによる爪上皮の血管形態と出血の有無の確認は強皮症と関連疾患の診断に有益である.
QFTとT-SPOT
著者: 石井則久 , 中永和枝 , 四津里英
ページ範囲:P.78 - P.81
要約 世界の1/3の人に結核菌の感染の既往があり,そのなかから毎年860万人が患者として発症し,130万人が死亡している.日本では年間2万人以上の結核の新規患者がおり,死亡者は2,000人を超えている.皮膚結核も毎年100名程度発症する.細胞性免疫を利用したIFN-γ検出系を用いた新しい結核の検査であるQFT-3GとT-SPOTが開発された.ツベルクリン反応とは異なり,BCG接種に左右されない
4.皮膚疾患治療のポイント
慢性蕁麻疹の抗アレルギー薬増量療法
著者: 森桶聡 , 秀道広
ページ範囲:P.84 - P.88
要約 慢性蕁麻疹の治療における第一選択は抗ヒスタミン作用のある抗アレルギー薬(第二世代のヒスタミンH1受容体拮抗薬)内服である.しかし,抗アレルギー薬単剤では治療に難渋する症例にしばしば遭遇する.これに対し,抗アレルギー薬を増量するとより高い効果が得られる場合があることが経験的に知られている.近年,そのエビデンスが蓄積されつつあり,複数の抗アレルギー薬について,その増量投与の有用性が示されつつある.その場合に懸念される鎮静性の副作用は,必ずしも用量依存性ではなく,複数の薬剤を組み合わせるよりも単一の抗アレルギー薬を増量することの有効性を示した報告もある.中枢移行性の低い抗アレルギー薬の通常量投与で多少の効果があるが十分ではなく,かつ鎮静性の副作用がないかあっても軽度の症例では,その増量は試みてよい治療法と考えられる.
エピペン®の適用タイミング
著者: 千貫祐子 , 森田栄伸
ページ範囲:P.89 - P.93
要約 2011年9月,ハチ毒,食物,薬物などに重篤なアナフィラキシー反応を起こした既往のある患者またはアナフィラキシーを発現する危険性の高い人に対して,アドレナリン自己注射器(エピペン®)が保険適用となった.アナフィラキシー発症時のエピペン®の投与は症状発現から早いほど有効であるが,医療関係者以外の人が使用することに躊躇する可能性は十分ある.このため,患者および関係者が医師の指導のもとで日頃からエピペン®の適用や使用方法を訓練しておく必要がある.筆者らは「全身に蕁麻疹や赤みが急速に拡大したとき,あるいは普段と比べてぐったりしたときにはエピペン®を使用する」ことを勧めている.
多形慢性痒疹治療アルゴリズム
著者: 片桐一元
ページ範囲:P.94 - P.98
要約 多形慢性痒疹は掻痒が強く,難治であるため皮膚科外来診療の中では最も避けたい疾患の1つとされている.筆者は多くの同症患者の診療を通じて独自のステップアップ式治療アルゴリズムを作成し,実際の診療に用いている.原則的に十分量の外用を試み,単剤の抗ヒスタミン薬,ロラタジン(クラリチン®)とオロパタジン塩酸塩(アレロック®)を中心とした抗ヒスタミン薬の2剤併用,マクロライド系抗菌薬の追加,紫外線照射もしくはシクロスポリン内服とステップアップする.自験例102名の解析では68%は抗ヒスタミン薬の2剤併用で,92%はマクロライド系抗菌薬の追加までで安定した状態となった.難治性疾患に対して明確な治療ステップを準備することは,苦痛の強い患者に安心感を与えるだけでなく,医療者にも余裕を持たせてくれる.また,本疾患の治療アルゴリズムは他の痒疹やアトピー性皮膚炎治療に応用することも可能であり汎用性を有している.
高齢者での乾癬治療
著者: 梅澤慶紀 , 中川秀己
ページ範囲:P.99 - P.103
要約 乾癬患者の高齢者の割合は年々増加しており,本邦では全体の約30%を占めていると考えられる.高齢者では種々の合併症の問題だけでなく,皮膚の菲薄化,内服・外用のコンプライアンスの低下,通院の問題など,特有の問題がある.高齢者の乾癬治療のストラテジー(案)として,第一選択が外用療法,続いて全身療法として光線療法,エトレチナート,生物学的製剤とし,シクロスポリンは最終段階で用いる薬剤とした.高齢者に治療を行う場合,患者背景を十分に理解し,副作用の発生に留意する必要がある.
皮膚慢性移植片対宿主病(GVHD)に対するナローバンドUVB療法
著者: 梅田さやか , 葉山惟大 , 中島久美子 , 谷ケ崎博 , 照井正
ページ範囲:P.105 - P.109
要約 症例1:10歳,男児.急性骨髄性白血病を発症し,末梢血幹細胞移植を施行後に慢性移植片対宿主病(graft-versus-host disease:GVHD)を発症した.免疫抑制剤で軽快したが,肺炎にて免疫抑制剤を休薬後に,全身の紅斑が再発した.免疫抑制剤の代替としてナローバンド(NB)-UVB療法を開始し,軽快した.症例2:15歳,女児.急性リンパ性白血病を発症し,同種骨髄移植を施行後にGVHDを発症した.免疫抑制剤で全身の丘疹は軽快したが,強い掻痒が残存していた.NB-UVB療法を併用し,掻痒は軽快,また免疫抑制剤の減量にも成功した.GVHDの治療には免疫抑制剤の全身投与が必要であるが,大量投与や長期投与によりさまざまな副作用を生じるリスクがある.また免疫抑制剤に抵抗性が生じる症例がある.NB-UVB療法は慢性GVHDの皮膚症状を改善し,免疫抑制剤を使用し難い症例や減量が必要な症例の代替または併用療法として有用と考えられる.
乳児血管腫に対するプロプラノロール療法
著者: 戸田さゆり , 秀道広
ページ範囲:P.111 - P.116
要約 近年,乳児血管腫(苺状血管腫)に対し,β遮断薬であるプロプラノロールの内服療法が有効であるとの報告が相次いでいる.乳児血管腫の治療としては,従来レーザー治療やステロイド治療が選択されることが多かったが,これまでの報告を見る限りプロプラノロールはそれらより高い有効性を示している.欧米では既に第一選択薬となりつつあり,国内での報告例も年々増加傾向にある.乳児血管腫は自然退縮する疾患ではあるが,腫瘍により機能障害や醜形をきたす可能性もあり,治療適応か否かを適切に判断する必要がある.プロプラノロールは治療介入が必要な症例に対し,投与量の設定や副作用の発現などに十分に留意しつつ,早期からの投与を検討すべき薬剤である.今後さらにエビデンスが蓄積され,より安全かつ有効性の高い投与方法等について,統一した見解が確立されることが期待される.
ボトックス®の局所多汗症への適応
著者: 藤本智子 , 横関博雄
ページ範囲:P.117 - P.121
要約 原発性局所多汗症に対してA型ボツリヌス毒素製剤(BT-A)であるボトックス®が,2012年11月より重度の原発性腋窩多汗症に対して保険診療で投与可能になった.その有効性は国内外の数々のエビデンスレベルの高い試験で確認されており,効果持続期間は約4~9か月と長期にわたる.しかし,投与症例の適応については重症度を見極め,第一選択肢の塩化アルミニウム溶液の外用でのコントロールが困難な症例に対して施行することが求められる.一方,原発性掌蹠多汗症に対してのBT-Aの保険診療は認められておらず,製剤の入手は輸入代行業者を通じて医師が購入する必要がある.保険診療の認可がない理由として,重症度に応じた必要投与量の見解が十分でないことや,投与時の疼痛が挙げられる.そのため,BT-A投与のタイミングや適応については患者に対して個別に検討が必要である.最後に本邦でのボトックス®の使用については承認条件として,該当する適応疾患の講習・実技セミナーを受けた医師にのみ処方が認められている.
陰圧閉鎖療法による分層植皮固定
著者: 谷岡未樹
ページ範囲:P.122 - P.124
要約 陰圧閉鎖療法は創傷を閉鎖環境とするだけでなく,陰圧を加えることにより創傷治癒を促進させる物理療法である.陰圧閉鎖療法は,創傷の浮腫を軽減し,血流を増加させることで,肉芽の新生を促進する.また,滲出液の管理が簡便でありドレッシングの交換回数も簡素化できる.陰圧閉鎖療法についてはさまざまな応用が試みられているが,分層植皮術を行う際の固定方法としての工夫が報告されつつある.従来から分層植皮術を行う際の固定方法としてタイオーバー固定が行われてきた.タイオーバー固定は比較的煩雑な固定法であるのに対して陰圧閉鎖療法を用いた固定法は簡便で滲出液の管理が容易である.特に,固定の難しい凸面の植皮や四肢の植皮では有用である.筆者の自験例を供覧するとともに,陰圧閉鎖療法を用いた固定法について述べる.
ドイツ式フットケアによる鶏眼・胼胝・疣贅・爪の処置
著者: 中道寛
ページ範囲:P.125 - P.130
要約 フットケアは皮膚科医が経験・専門性を活かせる分野の1つとして現在注目されている.鶏眼や爪の痛みで歩行が困難になり,不適切なケアで不幸にして足を切断される患者もいる.ドイツ式フットケアの1行程である専用器具を使った鶏眼・胼胝・疣贅・爪の処置について処置内容を中心に私見を述べた.器具を用いることにより処置は安全,迅速かつ美麗になる.一方で処置室の衛生状態の悪化,施術者の防御,ランニングコストの増加などのデメリットもある.ドイツ式フットケアの日本での歴史はまだまだ浅く,法律の整備も十分されていない.フットケアを謳うサロンは増えてきており,それに伴い健康被害も増える可能性がある.連携や啓発の必要性を感じている.本稿がドイツ式フットケアの技術に興味がある方の一助になれば幸いである.
5.皮膚科医のための臨床トピックス
Chapel Hill Consensus Conference 2012―歴史が変えた血管炎の新名称
著者: 岩月啓氏
ページ範囲:P.132 - P.134
要約 血管炎病名がChapel Hillコンセンサス会議(2012年)にて提案された.それを受けて,日本語表記の病名が作成され,各関連学会での承認を経て,統一された病名として用いられる.皮膚科領域の血管炎も新病名が提唱されており,今後,学会発表や論文執筆に大きな影響があるので,ここに新病名のリストを掲載する.歴史的背景に基づく病名に翻弄されることなく,本質的な病態解明と治療開発が望まれる.
化膿性汗腺炎とγセクレターゼ
著者: 濱田利久 , 岩月啓氏
ページ範囲:P.135 - P.137
要約 化膿性汗腺炎(hidradenitis suppurativa)は別名,acne inversaとも呼ばれアポクリン汗腺の存在する腋窩や陰股部に好発する.慢性・再発性に経過し皮下に瘻孔を形成するとしばしば細菌感染症を繰り返すようになり,さまざまな薬物療法が行われるが治療抵抗性であることもしばしばである.通常は孤発例であるが時に家族性の化膿性汗腺炎があり,近年相次いでγセクレターゼ(γ-secretase)をコードする遺伝子の変異が報告されるようになった.
水痘・帯状疱疹ヘルペスウイルス初感染の最近の新知見
著者: 伊東秀記 , 松尾光馬
ページ範囲:P.139 - P.142
要約 水痘・帯状疱疹ヘルペスウイルス(varicella zoster virus:VZV)はヒトαヘルペス属の一種で水痘および帯状疱疹の原因ウイルスである.ヒトがこのウイルスに感染すると主に上気道粘膜に感染し,粘膜や局所リンパ節で増殖し,第一次ウイルス血症を起こした後に,肝,脾臓や所属リンパ節などで増殖し,リンパ球に感染している形で第二次ウイルス血症を起こし,真皮から表皮に達し,水疱性病変を形成すると考えられていた.近年のヒト皮膚移植SCIDhuマウスを用いた研究により,感染後,VZVは24時間以内に表皮に達し,感染巣ではINF-α,(活性型)リン酸化STAT1の発現を抑制し,周囲の細胞ではINF-α,リン酸化STAT1の発現は亢進している.また,VZVは感染細胞でSTAT3を活性化(リン酸化)させこのためにリン酸化STAT1の発現は抑制され,リン酸化STAT3はサバイビンの発現を亢進させVZVの複製を容易にすることが明らかになった.このためVZVは表皮に24時間以内に到達するが,病変形成には10~21日を要する.
風疹の流行と特徴
著者: 藤井のり子 , 斎藤万寿吉 , 坪井良治
ページ範囲:P.143 - P.145
要約 風疹は,発熱,発疹,リンパ節腫脹を特徴とするウイルス性発疹症である.2011年頃から首都圏や関西で流行しはじめ,2012年には大流行し社会問題となった.罹患者は成人,特に20~40歳台男性が多くを占めた.成人風疹は臨床所見のみでは麻疹との鑑別は困難であり,確定診断には血清学的診断を要する.先天性風疹症候群を防ぐために,確実な診断および予防接種の普及が必要である.
ダニが媒介する重症熱性血小板減少症候群
著者: 和田康夫
ページ範囲:P.146 - P.148
要約 重症熱性血小板減少症候群(severe fever with thrombocytopenia syndrome:SFTS)は,マダニ媒介性のウイルス感染症である.原因は,ブニヤウイルス科フレボウイルス属に分類される新しいウイルスである.これまで日本でのマダニ媒介性疾患というと,ライム病や日本紅斑熱が代表的であったが,これにSFTSが新たに加わった.SFTSは,もともと2011年に中国で発見された新興ウイルス感染症である.感染すると6日~2週間の潜伏期を経て,発熱,消化器症状,出血症状などを起こす.わが国でも死亡例があることがわかり,新聞やテレビなどマスコミで大きく取り上げられていたことはまだ記憶に新しい.SFTS発見のいきさつ,日本での現状につき述べる.ただわが国におけるSFTSに関する詳細な情報は乏しい.厚生労働省や国立感染症研究所などから公開されている限られた資料をもとに解説する.
ワセリンを用いたマダニの除去法
著者: 夏秋優
ページ範囲:P.149 - P.152
要約 マダニ刺症において,咬着したマダニ虫体を除去するには局所麻酔下で皮膚ごと切除するのが確実である.ワセリン法は咬着中のマダニ虫体を被うようにワセリンを載せて,約30分後に異物鑷子で除去する方法である.マダニ幼虫であれば比較的容易に,若虫や成虫では咬着後早期であれば除去できる可能性があるので,試す価値がある.マダニが媒介する感染症には注意が必要であるが,マダニ除去後,感染症予防のための抗菌薬は一律に投与するのではなく,必要に応じて判断するべきである.
外用抗真菌薬による爪白癬治療の動向
著者: 渡辺晋一
ページ範囲:P.154 - P.155
要約 爪白癬はありふれた疾患であるが,その治療法は経口抗真菌薬で,今のところ治療効果がある外用抗真菌薬はない.しかし最近トリアゾール系抗真菌薬の外用薬としては世界初のエフィナコナゾールが開発され,国際共同治験により,プラセボと比べ有意に治癒率が高いことが証明された.その結果,エフィナコナゾールは2013年にカナダで爪真菌症治療外用薬として認可され,おそらく2014年には日本および米国でも認可されると思われる.この薬剤は爪病変が根本まで及ぶ症例の治癒は難しいかもしれないが,縦に楔状の混濁やdermatophytomaがみられる爪真菌症にも治療効果を発揮できると期待されている.副作用として,接触皮膚炎など外用した部位の皮膚刺激があるが,全身の副作用はない.さらに薬物相互作用もみられないことから,患者の全身状態を気にすることなく,気軽に処方できる画期的な薬剤であると思われる.
足の悪臭の原因は?
著者: 宮本真由美 , 坪井良治
ページ範囲:P.156 - P.158
要約 足の臭いを訴えて来院する患者は高頻度に多汗を合併し,点状角質融解症(pitted keratolysis)や足白癬をしばしば合併する.臭いの原因としては,繁殖した
iPS細胞の皮膚科的応用
著者: 大山学
ページ範囲:P.159 - P.161
要約 ヒトiPS細胞は理論的に無限の増殖能をもち,倫理的問題も少ないため再生医学のマテリアルとして注目されている.実際,神経,造血器,循環器など数多くの系統の細胞がヒトiPS細胞から誘導され,今後の臨床応用が待たれる.もともとiPS細胞は真皮線維芽細胞から作成されるなど皮膚にはiPS細胞の材料が多く存在する.また,既にヒトiPS細胞からケラチノサイト,メラノサイトなどの分化誘導が成功しており,それらを用いた3次元培養皮膚シートの作成や毛包構造の部分再生も報告された.iPS細胞技術は組織再生のみならず,遺伝性疾患の病態の解明や,変異遺伝子の修正と組合せることによりその治療法の開発にも役立つと期待される.皮膚は移植技術が確立しており,他臓器と異なり体表から観察できる.iPS細胞で懸念される腫瘍化などの問題に迅速に対処可能である.皮膚科は今後iPS細胞の技術が最も臨床に応用される領域の1つと言えるかもしれない.
第112回日本皮膚科学会総会学術大会の皮膚病理講習会『実践! 皮膚病理道場2013』を終えて
著者: 山元修
ページ範囲:P.162 - P.164
要約 第112回日本皮膚科学会総会学術大会(会頭:川島眞 東京女子医科大学皮膚科教授)にて,初めての試みとして皮膚病理組織講習会『実践!皮膚病理道場2013』が開かれた.本講習会は,皮膚病理初心者の若手を主な対象に,バーチャルスライド化した皮膚病理標本を観ながらセルフアセスメント方式で学習し,わからない点は会場に配置されたチューターに気軽に質問するという,双方向形式の講習会として企画された.提示症例は講習会に先立つ教育講演『皮膚病理へのいざない』で取り上げられるテーマに沿ったものとした.今回の企画はこれまでに類を見ないものであった.
皮膚科在宅医療の問題点
著者: 磯貝善蔵 , 船井龍彦
ページ範囲:P.165 - P.167
要約 在宅医療の推進を背景として在宅医療における皮膚科医のニーズは高まっている.また多様化,複雑化する在宅患者に対してはさまざまな職種が有機的に連携することが求められている.しかし,種々の診療報酬上の制約や在宅医療・高齢者医療への皮膚科医の参画が十分でないことから,現場の需要に応えられているとは言い難い.特に在宅医療での大きな課題である褥瘡診療に関しては現状の保険診療を理解しつつ,状況に応じた連携を構築していくことが重要と考えられる.
Derm.2014
皮膚癌の早期診断
著者: 米田明弘
ページ範囲:P.19 - P.19
大学を卒業して勤務初日に教授新患外来につかせていただいた.今でも忘れもしないが,最初に受診された方が,悪性黒色腫の患者さんで,鼻の上にとてつもなく巨大な結節を有していた.どうしてここまで放置していたのだろうと思ったのが懐かしい.皮膚科医として働きはじめて15年以上が過ぎたが,駆け出しの頃と比較すると進行期の皮膚癌を見る機会は減ってきたように思う.皮膚癌の啓蒙活動が進んでいるためと考えるが,それでも時々信じられないくらい大きくなり悪臭を伴う有棘細胞癌や,歩くのすら不自由と思われる足底の悪性黒色腫を見ることもある.「痛くないので大丈夫だと思った」などと聞くことも珍しくはない.他の臓器の悪性腫瘍と比較して,皮膚癌は目に見えるので,ある程度スクリーニングは自分でも可能と思われる.大腸ポリープがあるかどうかはさすがに内視鏡検査をしなければわからないが,良性か悪性かは別として,皮膚にできものができているのを自覚することは可能である.その目に見えているものを,「痛くないから大丈夫」と思うのか,「ちょっと心配だから病院に行く」のか,その判断はさまざまであることに改めて最近考えているところである.時々公衆浴場で何らかの皮膚癌を見つけてしまうことがあるが,声をかけるべきか悩むこともある.
月並みではあるが皮膚科医は2つの目さえあれば,診断ができる.しかしながら既に多臓器に転移している癌を診断した場合には,どうしてもう少し早く病院に来てくれなかったのかなと思う.逆にものすごく深刻そうな顔をしながら申し訳なさそうに,多発している脂漏性角化症を見せに来られる方もいる.あるいは,悪性黒色腫を皮膚科以外の施設で不十分に切除されてから紹介を受けることもある.癌の治療の鉄則は今も昔も早期発見早期治療に尽きる訳であるから改めて皮膚癌の啓蒙活動の重要性とともにより専門的に正確な診断が重要であることを痛切に感じているところである.
皮膚外科は難しい?
著者: 藤澤康弘
ページ範囲:P.26 - P.26
皮膚腫瘍は増加する一方であり皮膚腫瘍を扱える皮膚外科医の需要は高まると思われるが,残念なことに志す若手医師は減っているように感じる.皮膚外科が敬遠される大きな理由の1つに,「皮膚外科は難しそう」という先入観があるように思える.私は国立がんセンター中央病院皮膚科で研修する機会を頂いたが,そこで学んだ重要なことの1つは皮膚腫瘍の大部分は切除+単純縫縮ないしは植皮というごく基本的な手術手技で治療ができるということである.ところが,学会では非常に高度な手術手技を用いた症例の発表が目立つ.確かに,「単純縫縮した……の10例」などで学会発表するわけにもいかないため,そのような難しい発表が多くなるのは致し方ない部分もあるが,それがあたかもそのような難しい手術が皮膚外科では標準であるかのような誤ったメッセージを発信しているかもしれない.
普段私は大学病院で勤務しているが,外勤先の病院でも手術を行っている.全身麻酔の必要な症例は大学病院へ連れて帰るが,そのようなことは年に数件であり大多数の症例は局所麻酔下の切除+単純縫縮ないしは植皮で治療している.よく英会話は難しいといわれるが,実際には中学英語ができればほとんど日常生活には困らないらしい.まさに皮膚外科もそのような感じで,基本的な手技ができればほとんど困らない.あくまで私見であるが,適切な施設と指導者のもとで1年も指導を受ければ市中病院で十分やっていけるレベルの技術は習得可能であると思っている.きちんと基本ができていれば,より高度な手術手技は努力と機会,そして勇気があればどんどん習得できる.
Blaschko線とキリンのまだら模様
著者: 馬渕智生
ページ範囲:P.36 - P.36
皮膚科医になってBlaschko線を勉強していたときに思い出したことがあります.キリンの斑(まだら)模様の発生機序について論じられた,いわゆるキリンの斑論争です.
子供の時分から読書好きであった私が中学時代に読みあさった文庫本のなかに,岩波文庫の寺田寅彦随筆集がありました.優れた物理学者でもあった寺田寅彦の随筆のなかには,身近な事象を独自の発想で深く洞察した科学エッセイも多く含まれています.その寺田寅彦の弟子である物理学者の平田森三が,乾燥した粘土の表面に生じたひび割れとキリンの斑模様が似ていることから着想し,生物の斑紋は発生初期に細胞表面に生じた割れ目に由来するという説を提唱しました.当時の生物学者から強く反論され,議論するも,やがて互いに感情的になり不毛な論争に終わってしまったのがキリンの斑論争です.後に寺田寅彦も「割れ目と生命」という論文で,飼い猫の白地に黒ブチ模様の発生機序などを加えて考察しています.現在では,斑紋や縞模様はチューリングパターン,すなわち反応拡散波と呼ばれる化学反応の組み合わせによって発生する波によって生じるとされており,平田説は否定されています.しかしながら,Blaschko線は胎生期皮膚が生育していく線であるという概念を考えるにつけ,強ち間違った考えとも思えません.
古くて新しい亜鉛華軟膏?!―亜鉛研究ブーム到来とともに
著者: 川村龍吉
ページ範囲:P.50 - P.50
「亜鉛欠乏症に伴う皮膚炎」に関する論文で昨年の皆見賞をいただいたが,くしくも昨年は亜鉛欠乏症症例が初めて報告されてから50周年に当たる年だったらしい.亜鉛と言えばわれわれ皮膚科医がすぐに連想するのが亜鉛華(単)軟膏であるが,最近では潰瘍を伴う皮膚癌などに用いられるMohs軟膏も成分は亜鉛そのものである.古くからわれわれ皮膚科医は手湿疹やおむつ皮膚炎などの亀裂やびらん・潰瘍を伴う一次刺激性接触皮膚炎に対してなぜか経験的に亜鉛華軟膏を繁用してきた.島田眞路教授が「30年以上前にあった外用剤で今も使われているのはステロイドと亜鉛華軟膏ぐらいである」とおっしゃられていたが,亜鉛華軟膏が超ロングセラーになるには何か特別な理由があるはずである.先の受賞論文で腸性肢端皮膚炎の本態が一次刺激性接触皮膚炎であることを明らかにしたが,培養表皮細胞に亜鉛を添加すると一次刺激物質によって誘導される起炎物質:細胞外ATPの放出量が著明に抑制されることもわかった.きっと亜鉛は起炎物質ATPの量を減らすことで,ステロイドとは異なる機序の消炎作用を発揮するのだろう.
大阪大学の平野俊夫学長らが「亜鉛は細胞外刺激を細胞内に伝達するメッセンジャーである」ことを発見された後,2007年から国際亜鉛生物学会を立ち上げられ,日本は今や亜鉛研究のメッカとなりつつある.また内科医の倉澤隆平先生が本邦の高齢者は意外に亜鉛が欠乏していることを報告されて亜鉛研究ブームに拍車がかかっているが,これからの亜鉛研究の進展に期待したい.そういえば先日,日本皮膚科学会「皮膚科の将来を考える会」の親睦会で,亜鉛華軟膏をリント布の綿の面に塗るかツルツルの面に塗るかで大論争となった.出身医局によってどちらの面に塗るかは概ね半々に割れたが,いずれの陣営も医局の先輩に教わった方法を絶対と信じて譲らず,結局結論は出なかった.どなたか本当のことを教えてください….
電子メール診療?
著者: 藤田英樹
ページ範囲:P.66 - P.66
はじめに断っておきますが,電子メールでの診療行為が認められているわけではありませんし,私が患者さんに電子メールアドレスを教えて診療に利用している訳でもありません.医師であれば皮膚科医に限らず友人・知人などから病気に関する相談を受けることが多々あると思います.そういった相談を電子メールで受けることもあるでしょう.皮膚の病気の場合は「見ればわかるだろう」と思われているので,病変部の写真を添付して唐突に電子メールで「これは何? どうすればいいの?」と友人から相談されることがよくあります.「近所の皮膚科に行けばいいのに」と思いつつも,友人から頼られているということでいつも丁寧に返事をしています.これまでの相談内容で印象に残っているものは,お子さんの苺状血管腫や異所性蒙古斑,炎症性粉瘤(メールで相談する暇があったらさっさと切開したほうが良さそうであった),疥癬(最終的には実際に自分の病院に来てもらい正規の診察をした)などがあります.ただ実際には写真の質が悪く,「なんだかよくわからない」こともあります.労力はかけていますが,もちろん料金は発生しませんので,せめて人間関係がより良好になったと信じたいものです.何はともあれ,そのようなことをしていて思うのは,「将来このような形の皮膚科診療が本当に一般的に行われる日が来るのであろうか」ということです.この形の相談が結構診療として成り立っているように感じることがあるからです.もちろんいわゆる遠隔地診療では一定の力を発揮する可能性はあるでしょうが,画像技術がどんなに発達しても,私個人としてはやはり実際の患者さんを目の前にして診療をしたいと思います.
パッチテストの工夫と有用性
著者: 峠岡理沙
ページ範囲:P.77 - P.77
パッチテストは,できるだけ正しい結果を出すために,さまざまな工夫が必要であると思われる.パッチテストでは,偽陽性反応がみられることがあり,特に金属である亜鉛,マンガンなどで認められやすい.当教室では,以前は2%塩化亜鉛の試薬を用いてパッチテストを行っていたが,典型的な刺激反応である毛包一致性丘疹や膿疱の所見を認めたり,また炎症が強いために紅斑を伴ったり,翌日に反応がさらに増強したりして,アレルギー反応と紛らわしいことが少なくなかった.そこで,1%塩化亜鉛や1%硫酸亜鉛の試薬に変更したところ,刺激反応の頻度は著しく減少した.また,当科では48時間後,72時間後だけでなく,1週間後にもできるだけ判定を行うようにしている.フラジオマイシンなどの抗生物質や,ウルシやイチョウなどの植物は72時間後以降に反応のピークがみられることが少なくなく,1週間後に判定することは有用である.このように,パッチテスト試薬の貼付濃度や種類,判定時期を工夫することで,よりよいパッチテスト診療を行うことができると思われる.
パッチテストにより原因を解明できれば,ステロイド剤外用により軽快しなかったり,再燃を繰り返す湿疹を寛解に導くことができる.そのためには日頃から学会発表や論文などを通して,どのような湿疹をみたときに接触皮膚炎を疑うのか,何が原因の候補として考えられるのかを勉強し,知識を深めておく必要がある.また,ステロイド剤外用などの通常の治療により軽快しないアトピー性皮膚炎の症例でパッチテストを行うと,一部の患者ではステロイド剤や抗生剤,化粧品,染毛剤の接触皮膚炎を合併していることがあり,難治性の湿疹の症例にはパッチテストは非常に有用であると思われる.これからも日々鍛錬して接触皮膚炎の知識や情報を得て,パッチテストを通して少しでも多くの接触アレルギーを見つけ,難治性の湿疹で困っている患者を寛解に導きたい.
目指せ! 顔の見える医療連携
著者: 多田弥生
ページ範囲:P.82 - P.82
真の医療連携というものを恥ずかしながら,最近までわかっていなかった.実際にその重要性と楽しさを実感したのはここ数年である.開業医の先生方は画像検査もない,迅速採血もできない状況で,長年の経験と知識をたよりに診断,治療をされている.ちょっとこれは,と思う症例は病院皮膚科の出番である.他科との連携,高度な検査設備,人手,即日入院できる病床を背景に診断,治療をして,紹介元へお返しする.そして,次回紹介元の先生とお会いしたときには,やはり,「あの」症例がお互いに気になっていて,すぐに話がはずむ.難しい症例の「その後」を医師同士で情報共有することは地域の医療レベル向上にもつながる.難しい症例を拾ってくださり,紹介してくださる先生がいて初めて,病院,そして私たち勤務医の臨床能力も上がる.こうした患者は落ち着いても定期通院を余儀なくされることがほとんどである.信頼できる,患者が通いやすい紹介元の先生にお戻しすることで,患者も継続通院してくれる.お忙しい外来のさなかに,なかには大変丁寧な紹介状,こちらからの逆紹介状に対する返事をくださる先生もいらっしゃる.頭が下がるし,「よろしく!,の一言で大丈夫です!」と申し上げたくなる.大学病院の教授にはご自身で生検の所見を書いて,紹介元へ返信される先生もいらっしゃると聞く.自分はまだまだである.開業医の先生方は軒並み,大先輩である.先輩方が大切な患者を安心して任せられる勤務医になりたい,地域の患者を一緒に支えたい,その一心で勉強する毎日である.帝京大学病院は大きい病院で地域の守備範囲も広い.勉強になる.ありがたい.この地で「顔の見える医療連携」をしっかり行っていきたいと思う.
乾癬治療―生物学的製剤の光と陰
著者: 林宏明
ページ範囲:P.88 - P.88
今年開催される日本皮膚科学会総会の乾癬(生物学的製剤)の教育講演のタイトルは『生物学的製剤の光と陰』である.生物学的製剤の「光」は従来の治療法を卓越する効果などであると思われるが,「光」につきまとう「陰」に注意が必要であり生物学的製剤の「影」は主なものは感染症などの副作用になるであろう.
乾癬に対して生物学的製剤が保険適応になり3年が経ち,従来とは治療法が間違いなく変わった.当施設では生物学的製剤治療は全例外来通院で行っているため,乾癬患者の入院治療がなくなってしまった.私が皮膚科医になったばかりの頃は重症の乾癬患者は入院の上,外用療法やPUVA療法などを行い,患者の皮疹に触れながら,治療をしっかり行っても出現してくる皮疹に病態の疑問を感じながら過ごした日々を記憶している.近年は重症乾癬患者でも外来通院で生物学的製剤治療を行っているため,研修医の先生などに直接担当してもらう機会が激減してしまった.これもある意味「陰」と思いながらも時代に逆らうわけにもいかないのが現状である.
口の中は大丈夫?
著者: 松山麻子
ページ範囲:P.93 - P.93
2010年に乾癬に対して生物学的製剤による治療が承認されて以来,それを担当している.生物学的製剤の登場は,乾癬の治療戦略に大きな変化をもたらした.なにより患者QOLにスポットが当てられたことは重要である.
いきものがかりであるがゆえ,乾癬患者を診察する機会が増えた.関節症状のある患者も少なくない.脊椎の強直性変化が進行してから紹介されてくる患者もあり,乾癬に対する認識をあらためることにもなった.
初心にかえる
著者: 海老原全
ページ範囲:P.116 - P.116
最近,診療の現場で気をつけていることは初心にかえるという意識です.医者になって30年近く経つとどうも傲慢になってしまいます.患者さんの話もある程度の段階でパターン化してしまい,途中でもういいかなというような感じになってしまいます.ある日,アトピー性皮膚炎で通院している女性の患者さんが診察室に入ってくるなり,内服している抗ヒスタミン薬を使用した後にかゆみがひどくなり,皮疹も悪化する気がすると訴えました.患者さん達の訴えによくある,気にし過ぎ,思い込みかなと考え,流してしまおうと思っていたところ,「あれ?」という話が始まりました.以前ほかにも悪化した気がする薬剤があり,それらに共通する項目があるというのです.その方はトウモロコシのアレルギーがあり,それらの薬にはトウモロコシデンプンが使用されているというのです.ほかにも多種食事アレルギーを有しており,度々血液検査などを施行されてきた方でしたので,とても敏感に感じ,ご自分で調べられていたのです.
この方が内服していた抗ヒスタミン薬はアタラックスP®で,添加物としてトウモロコシデンプンが入っています.トウモロコシデンプンというのは賦形剤,結合剤,崩壊剤としてさまざまな薬剤に使用されています.以前ビオフェルミン®錠剤を内服した後にも皮疹の悪化があったとのことでしたが,ビオフェルミン®錠剤にもトウモロコシデンプンが入っています.アタラックスP®を中止し,状態は沈静化しました.
父からの言葉
著者: 山口道也
ページ範囲:P.130 - P.130
父親は片田舎の内科医として現役で診療をしておりますが,高校生のときに,父から「医師が患者さんを治すのではない.患者さんが治るのを助けるのが医師の仕事だ」と言われたことがあります.高校生や大学生の頃にはよくわかりませんでしたが,最近はよくこの言葉を思い出します.医師になり13年目ともなると,研修医の頃と比べて自分の診療技術も向上したと思い,あるときには,「自分が治してあげた」などと思ってしまうこともありますが,そういうときこそ奢らずに父の言葉を思い出すようにしています.さて,2013年2月に山口乾癬患者会が設立され,相談医をさせていただいていますが,患者会で患者さんのお話を聞いていると,普段の診療のときにはあまりお話を聞けていないなと思うことが多々あります.そういった意味でも患者会との関わりは自分の診療を見つめ直す意味でとても重要であると考えています.忙しくはありますが,できる限り患者さんに耳を傾け,今後も「患者さんが治る」のを助けていきたいと思っています.
興味ある仕事
著者: 北見由季
ページ範囲:P.134 - P.134
入局まもなく「なにか得意分野を持ったほうが良い」と真菌班に入り香川三郎教授の指導を受けた.真菌班を選択したきっかけは,教授のベシュライバーのときに足白癬の培養を行ってうまくコロニーが生えてきたからである.相手はカビなのに生えてきたコロニーの形が白くほわほわして可愛らしい印象だった.まずは自分が診断した患者の培養は行うようにと言われ,せっせと培養をしたが今度はなかなか生えてこない.検体を採取する部位や培養のやり方にもコツがいるようだ.香川教授は「手取り足取り」というよりも「私のやり方をよく見ていなさい」という教え方だった.臨床,培養の写真の撮り方と出来映えに厳しく,なかなかほめてはもらえない.「どんな症例も学会で発表するつもりで写真を撮りなさい」と言われた.なるべくきれいに培養するように,写真は背景にも注意して仕上がりを考えて撮るように心がけた.少しは上達しただろうか.写真や培養をほめていただいたとき,珍しい菌が生えて興味深く話を聞いてくださったときは単純ながら俄然やる気が上昇する.小学生が良い点を取ると親にほめられて「がんばろう!」と思うのと全く変わらない.近年,学会では皮膚科医の鏡検能力が低下していると言われ,実際に培養できる施設も少ない.当科も例外ではない.自分が教えられたことを後輩にも伝えたいが指導するのは自分がやるよりも難しい.若手の先生は専門医取得のため日夜学会・勉強会の準備,外来・病棟業務を追われるように行い,自分の興味ある分野を見つける余裕もないのであろう.地味な仕事かもしれないけれど,鏡検や培養の手技は実は真菌症以外の診療にも役立つのですよ! 真菌の仕事をしてくれる先生を一年中大募集中である.
「先生,ウチ来ない?」
著者: 大湖健太郎
ページ範囲:P.138 - P.138
乾癬のサイトカインシグナルの複雑かつ美しく整然とした経路に魅了され,その研究に加わりたいとの一心で,新潟大学 伊藤雅章教授,高知大学 佐野栄紀教授,お二人のご高配のもと,2013年春,稲穂美しき新潟大学から黒潮流れる高知大学に移りました.きっかけは,学会で質問をした→懇親会でも質問をした→ディスカッション→「ウチ来ない?」とお声かけ頂く→あれよあれよと話が決まったのです.医局を移る,というのは決して一般的なことではないと思います.しかし,大学院時代に基礎教室に出入りした際に,人材交流や異動を目にすることがあり,あまり抵抗はありませんでした.
一県一大学の医局ですと,他大学医局との交流というのは,そうあるものではないのです.しかし,東部支部で実施されている大学交流CPC(臨床病理検討会)や,研究皮膚科「きさらぎ塾」,各種学会での質疑応答・懇親会などなど,交流するチャンスは無数にあります.懇親会で,自分の医局員や知り合いの先生だけと会話しててはもったいない! そんなものは医局に帰ってからでもできるのです.そう,偉い先生へも,恥ずかしがらずに思い切って話しかけると,思いがけないチャンスや発見に巡り会うこともあるのです.知り合いの知り合いの知り合いは,ノーベル賞受賞者につながっているかもしれませんよ.
紙に書いて説明しよう
著者: 波多野豊
ページ範囲:P.148 - P.148
自分が客としてさまざまな説明を受ける機会があるが,なかなか頭に入って来ないことが多い.例えば携帯電話料金の設定説明,レストランでの注文の仕方の説明,旅行会社での説明,銀行での説明,大学事務からの説明などなど.妻が言うように,「皮膚科以外のことは何も知らない非常識な時代遅れの人間」だからだし,歳のせいもあるだろう.説明して下さる人は,言語明瞭に,立板に水のごとく,一見(?)わかりやすそうに,自信満々に(?)説明して下さるので,益々申し訳なく身の縮む思いである.立板に水なのも当然で,担当者は毎日,毎日,同じような説明を繰り返しているのである.これに,業界用語・専門用語が混じるとお手上げである.そんなとき,患者さん達も日々同じような目に遭っているんだろうなと,ふと思う.そう考えてから,特に,アトピー性皮膚炎や円形脱毛症の専門外来では,病態や治療方針などを,特に初診の患者さんにはなるべく,重要事項は紙に書いて,時には図示しながら,説明することにしている.特に,外用剤の使用方法については,事細かに書くことがある.顔にはまずこの薬を4日間,その後はこれに変えて1週間,体は…などなど.特に,まだ外用剤による自己コントロールに慣れていない方には必須と思う.口述だけだと,患者さんは,わかったような気分になっても,十分理解できていないか,すぐ忘れるか,すぐじゃなくても日々記憶は薄れたり勘違いするようになる.まるで,いろんなところで説明を聞いたあとの私のように….
お試しあれ,知っておくと楽しい手技
著者: 和田秀文
ページ範囲:P.153 - P.153
さまざまな工夫で臨床を楽しんでいる.そのなか,知っておくと便利な3つをご紹介する.
まずは,皮膚表面観察には欠かせないツールである,ダーモスコープである.20年前の皮膚科医駆け出しのころ,よくオーベンから怒られた.“ポケットの接眼レンズを元の顕微鏡に戻しておきなさい!”と.つまり,顕微鏡の接眼レンズが当時の簡易ダーモスコープであり,それでダーモスコピーをしていたのである.今でも外勤先でダーモスコープがない場合利用している.外来には必ず顕微鏡があり,その接眼レンズを引き抜き,逆さま(通常の接眼面を下に,観察面にかざす)にしてダーモスコピーをする(図1)と,今と劣らない観察ができる.もちろん利用後は白衣のポケットではなく元の顕微鏡にお戻しあれ.
JSIDきさらぎ塾
著者: 平川聡史
ページ範囲:P.158 - P.158
全国の悩める若手研究者の皆さま,困ったときにはJSIDきさらぎ塾へお越し下さい.きさらぎ塾の目的は,地方の小さな研究室で頑張っている人にも声をかけ,互いに親睦を図ることです.開催地は沖縄,2月に集まります.打ち寄せる波,白い雲.日常を離れて語り合う3日間は格別です.主催するのは日本研究皮膚科学会(The Japanese Society for Investigative Dermatology:JSID),ちょっと敷居を高く感じるかもしれません.しかし,集まった皆さんは,声を揃えて「良かった」とお話しして下さいます.同世代のメンバーと知り合い,学会で再会することを楽しみにしながら,皮膚科研究者として経験を積んで行くことは,豊かな人生の入り口ではないかと思います.きさらぎ塾の詳細は,ウェブサイトhttp://www.jsid.org/kisaragi/index.htmlあるいはFacebookのアドレスhttp://www.jsid.org/kisaragi/index.htmlに出ています.ぜひ一度ご覧下さい.
2010年に始まったJSIDきさらぎ塾は,今年で5回を迎えました.その間,ヨーロッパではESDR(European Society for Dermatological Research:欧州研究皮膚科学会)Academy for Future Leaders in Dermatologyが始まりました.昨年,ISID(The International Society for Investigative Dermatology:国際研究皮膚科学会)ではISID 2013 Young Retreatが開催されました.いずれもJSIDきさらぎ塾がきっかけとなり,国際的な若手ネットワークが動きはじめています.そして来る9月10日,ESDR MeetingではSID(The Society for Investigative Dermatology:アメリカ研究皮膚科学会),JSIDがジョイントして,再び3大陸合同企画Future Leaders Symposiumを開催します.日本からの参加者は,このコラムを読んでいる皆さんです.ぜひ奮ってご参加下さい! 現在,プログラムを作成中です.興味ある方は,JSID事務局までご連絡下さい(Email:office2@jsid.org).
性器ヘルペス治療において考えること
著者: 松尾光馬
ページ範囲:P.164 - P.164
遡ること十数年,ウイルス学教室で学んだ後,「ヘルペス外来」という帯状疱疹,性器ヘルペスを主に診察する外来を担当することとなった.留学時の実験の1つに,マウス腹部の皮膚から単純ヘルペスウイルスを感染させ,脊髄神経節における潜伏ウイルス量を検討する,とういうものがあった.抗ウイルス薬は感染1日前,感染後24時間後から開始する群など数グループに分け,8時間ごとに経口投与を行う.その後,脊椎を剪刃で半分に割り,1mmほどの神経節を1つ1つ取り出しDNAを抽出する.定量検査を何度か行い少し驚いた.皮膚への感染前から抗ウイルス薬を投与しても103コピー,24時間以内の開始でも105コピー程度のウイルス量がみられるのである.もう少し薬が効いてくれれば,というのが正直な感想であった.ヒトに置き換えてみたらどうであろう? 性器ヘルペスの初感染後,感染早期に抗ウイルス薬投与を開始すれば潜伏するウイルス量は減少し,再発頻度も減ると考えてきたが,皮疹が出現し受診する時期には少なくとも2日は経過しているのである.その時点で内服,点滴を開始しても遅いのでは,と鬱屈しつつ症状を軽快させるために治療を行うしかないのが現状である.ウイルスの増殖抑制という特性を持つ現在用いられる抗ウイルス薬では限界があり,コンドームや今後用いられるであろうワクチンなどで予防するしかないのだろうか.ただし,性器ヘルペスにおいては薬を投与するのみが治療ではない.失望した面持ちで外来を受診する患者さんに対しては,どのようなことに対して不安を抱いているのかを聞きだし,個々に解決していくことも重要である.当校の学祖,高木兼寛先生の教え「病気を診ずして病人を診よ」という言葉を礎石とし,診療を行うよう日々奮励している.
絵馬
著者: 大日輝記
ページ範囲:P.167 - P.167
全国の初詣参拝者数は2009年にのべ9939万人に達したと警視庁は発表している.調査はこの年でもうやめたそうで,なかなか正しい判断だと思う.たいていの人はただ参りたいから参るので,何か願うとしても家内安全,商売繁盛など抽象的なことがほとんどだろう.それでも年の初めに何かしらを胸に秘め,あるいは虚心に柏手を打つのはすがすがしくていいものだ.
ちょうど12年前の午の年,九州に赴いて初めての正月を迎えた.まだ子供もおらず若かった妻と連れだって近所にある筥崎宮という古い神社に参った.本殿の傍らに絵馬殿がある.絵馬殿とその周囲には実にたくさんの絵馬が奉納されている.福岡ダイエーホークスとアビスパ福岡の巨大な優勝祈願の絵馬がとりわけ目を引く.
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欧文目次 フリーアクセス
ページ範囲:P.6 - P.7
あとがき フリーアクセス
著者: 伊藤雅章
ページ範囲:P.168 - P.168
読者の皆さん,今回の『臨床皮膚科』増刊号「最近のトピックス2014」はいかがでしょうか? 編集委員会では,それぞれの項目について4名の委員が各自4~6テーマずつ案を出し,皆でディスカッションして「1.最近話題の皮膚疾患」~「3.新しい検査法と診断法」は5本ずつ,「4.皮膚疾患治療のポイント」「5.皮膚科医のための臨床トピックス」は10本ずつ選び,全体の案を決めています.結果的に多少の増減はあります.
さて,「4.皮膚疾患治療のポイント」は,皮膚科の治療が日進月歩で進歩していますので,案を出しやすく,比較的まとまりやすいと思います.ただし,過去に取り上げたテーマとの重複や類似のものを避け,また,まだ不確定なもの,これからガイドラインが出てくるものなどは「先走り」になるといけないので,取り上げないことにしています.「5.皮膚科医のための臨床トピックス」は内容的に雑多ですが,皮膚科医に身近なことや,ちょっと知っておいて損はないというような話題で,これらはかえって案を出すのも選択するのもそれほど難しくありません.短編なので,ポイントを絞って著者には書いてもらいやすく,また読者も簡単に読めると思います.一方,「1.最近話題の皮膚疾患」や「2.皮膚疾患の病態」はやや重たいテーマで,編集委員が毎回悩む項目です.毎年「話題」になる新しい皮膚疾患がいくつもあるわけでなく,また,分子生物学や遺伝子研究の進歩でいろいろ病態が解明されつつありますが,「病態」のトピックスとして取り上げて良いものかどうか,悩ましいところです.さらに「3.新しい検査法と診断法」になると,何かないかと探すのに苦労しています.
基本情報
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特集 臨床皮膚科—最近のトピックス
43巻5号(1989年5月発行)
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39巻12号(1985年12月発行)
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26巻12号(1972年12月発行)
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25巻13号(1971年12月発行)
特集 小児の皮膚疾患
25巻12号(1971年12月発行)
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特集 基底膜
25巻6号(1971年6月発行)
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24巻12号(1970年12月発行)
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24巻9号(1970年9月発行)
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23巻11号(1969年11月発行)
23巻10号(1969年10月発行)
23巻9号(1969年9月発行)
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23巻1号(1969年1月発行)