文献詳細
増刊号特集 最近のトピックス2014 Clinical Dermatology 2014
1.最近話題の皮膚疾患
文献概要
要約 症例1,77歳,男性.調理師で立ち仕事.左下腿のうっ滞性脂肪織炎.症例2,65歳,女性.右下腿のうっ滞性皮膚炎と潰瘍.症例3,63歳,女性.看護師で立ち仕事.左下腿のうっ滞性脂肪織炎.いずれも超音波検査を施行した.径2~3mmの微小動静脈瘻が原因と考え,結紮術を行い1~2か月で軽快した.下肢のうっ滞性の皮膚症状は,症例によっては外科的治療ですみやかに軽快するため,超音波検査をして病態を正確に把握する必要がある.伏在型の一次性静脈瘤が最も多いが,症例は少ないものの,微小動静脈瘻が原因と考えられるものも見出される.この場合,明らかな静脈瘤がない症例があり,蜂窩織炎等と誤診されることもあると考えられるため,鑑別は重要である.治療は主に結紮術を行うが,成因は不明のため長期的な経過観察が必要と考えられる.
参考文献
1) Haimovici H:J Cardiovasc Surg(Torino) 36:109, 1995
2) 本田賢太郎,他:脈管学 46:73, 2006
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