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増刊号特集 最近のトピックス2014 Clinical Dermatology 2014 2.皮膚疾患の病態
温まるとなぜかゆいのか?
著者: 室田浩之1
所属機関: 1大阪大学大学院医学系研究科情報統合医学講座皮膚科学
ページ範囲:P.47 - P.50
文献購入ページに移動要約 皮膚疾患の代表的な症状として知られるかゆみは,難治な症例に対する治療選択に悩むことも少なくない.かゆみという感覚の存在意義とそのメカニズムに関する知識は,未解明な点が多いものの,かゆみ治療を考える際の有用な糧となろう.日常診療において「温もるとかゆい」といった訴えを日常診療で伺う機会は多い.温熱のような通常はかゆみに感じない刺激をかゆみに感じてしまう異常感覚をアロネシスと呼ぶ.「温もるとかゆい」感覚は治療に抵抗性を示すことが多い.本稿ではかゆみを概説するとともに,特に温熱で誘発されるかゆみのメカニズムに関する最近の知見をご紹介する.
参考文献
1) Ikoma A, et al:Nat Rev Neurosci 7:535, 2006
2) Ishiuji Y, et al:Br J Dermatol 158:78, 2008
3) Murota H, et al:J Allergy Clin Immunol 130:671, 2012
4) 熊谷裕生,他:アレルギー・免疫 17:1520, 2010
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