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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科68巻5号

2014年04月発行

文献概要

増刊号特集 最近のトピックス2014 Clinical Dermatology 2014 4.皮膚疾患治療のポイント

皮膚慢性移植片対宿主病(GVHD)に対するナローバンドUVB療法

著者: 梅田さやか1 葉山惟大1 中島久美子1 谷ケ崎博2 照井正1

所属機関: 1日本大学医学部皮膚科学科系皮膚科学分野 2日本大学医学部小児科学科系小児科学分野

ページ範囲:P.105 - P.109

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要約 症例1:10歳,男児.急性骨髄性白血病を発症し,末梢血幹細胞移植を施行後に慢性移植片対宿主病(graft-versus-host disease:GVHD)を発症した.免疫抑制剤で軽快したが,肺炎にて免疫抑制剤を休薬後に,全身の紅斑が再発した.免疫抑制剤の代替としてナローバンド(NB)-UVB療法を開始し,軽快した.症例2:15歳,女児.急性リンパ性白血病を発症し,同種骨髄移植を施行後にGVHDを発症した.免疫抑制剤で全身の丘疹は軽快したが,強い掻痒が残存していた.NB-UVB療法を併用し,掻痒は軽快,また免疫抑制剤の減量にも成功した.GVHDの治療には免疫抑制剤の全身投与が必要であるが,大量投与や長期投与によりさまざまな副作用を生じるリスクがある.また免疫抑制剤に抵抗性が生じる症例がある.NB-UVB療法は慢性GVHDの皮膚症状を改善し,免疫抑制剤を使用し難い症例や減量が必要な症例の代替または併用療法として有用と考えられる.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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