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増刊号特集 最近のトピックス2014 Clinical Dermatology 2014 5.皮膚科医のための臨床トピックス
ダニが媒介する重症熱性血小板減少症候群
著者: 和田康夫1
所属機関: 1赤穂市民病院皮膚科
ページ範囲:P.146 - P.148
文献購入ページに移動要約 重症熱性血小板減少症候群(severe fever with thrombocytopenia syndrome:SFTS)は,マダニ媒介性のウイルス感染症である.原因は,ブニヤウイルス科フレボウイルス属に分類される新しいウイルスである.これまで日本でのマダニ媒介性疾患というと,ライム病や日本紅斑熱が代表的であったが,これにSFTSが新たに加わった.SFTSは,もともと2011年に中国で発見された新興ウイルス感染症である.感染すると6日~2週間の潜伏期を経て,発熱,消化器症状,出血症状などを起こす.わが国でも死亡例があることがわかり,新聞やテレビなどマスコミで大きく取り上げられていたことはまだ記憶に新しい.SFTS発見のいきさつ,日本での現状につき述べる.ただわが国におけるSFTSに関する詳細な情報は乏しい.厚生労働省や国立感染症研究所などから公開されている限られた資料をもとに解説する.
参考文献
1) Yu XJ, et al:N Engl J Med 364:1523, 2011
2) 西條政幸,他:病原微生物検出情報(IASR)速報(平成25年1月30日)
3) 森川 茂,他:IASR重症熱性血小板減少症候群(SFTS)ウイルスの国内分布調査結果(第一報)(2013.8.29)
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