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増刊号特集 最近のトピックス2014 Clinical Dermatology 2014 5.皮膚科医のための臨床トピックス
外用抗真菌薬による爪白癬治療の動向
著者: 渡辺晋一1
所属機関: 1帝京大学医学部皮膚科学教室
ページ範囲:P.154 - P.155
文献購入ページに移動要約 爪白癬はありふれた疾患であるが,その治療法は経口抗真菌薬で,今のところ治療効果がある外用抗真菌薬はない.しかし最近トリアゾール系抗真菌薬の外用薬としては世界初のエフィナコナゾールが開発され,国際共同治験により,プラセボと比べ有意に治癒率が高いことが証明された.その結果,エフィナコナゾールは2013年にカナダで爪真菌症治療外用薬として認可され,おそらく2014年には日本および米国でも認可されると思われる.この薬剤は爪病変が根本まで及ぶ症例の治癒は難しいかもしれないが,縦に楔状の混濁やdermatophytomaがみられる爪真菌症にも治療効果を発揮できると期待されている.副作用として,接触皮膚炎など外用した部位の皮膚刺激があるが,全身の副作用はない.さらに薬物相互作用もみられないことから,患者の全身状態を気にすることなく,気軽に処方できる画期的な薬剤であると思われる.
参考文献
1) Elewski BE, et al:J Am Acad Dermatol 68:600, 2013
2) 渡辺晋一,他:日皮会誌 119:851, 2009
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